上 下
648 / 837
ミコナとかぷせるあにまるず

以前に比べれば随分と

しおりを挟む
だけどティーさんは、そんなヴァドヤに、

『強くなれ』

とは言いません。言葉でそんな風に言われただけで強くなれるなら誰も苦労はしませんし。強くなるにしても必要な手順を踏み段階を経なければ強くなんてなれません。

体を鍛えるときだってそうですよね。ちゃんと理にかなった形でなければ鍛えるどころか逆に体を壊してしまうことだってある。

なのに無責任な人は無茶なことを言って、だけどそれで体を壊したりしても責任はとってくれないんです。

これは精神でも同じこと。

むしろ、目に見える形にしにくい精神については、より一層、慎重な対処が必要なはずなんです。

本来は。

だからティーさんは、ヴァドヤ自身が『大丈夫』と思えるまで彼女に付き合います。

学校までの道のりでも、ヴァドヤはビクビクと怯えた様子でした。だけどこれでも以前に比べれば随分とマシになったんですけどね。

しおりを挟む

処理中です...