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ミコナ

それは杞憂であることを

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セイラが説明します。

「私の祖母の妹、つまり大叔母に当たる方は、私が生まれてすぐ、心臓の病で亡くなりました。ですが大変に強い想いを残していらっしゃったのでしょう。加えて私が大叔母と相性が良かったというのもあったのかもしれません。生まれたばかりで同じ病院の産科病棟に入院していた私の体を依代としてこの世にとどまったのです。

けれどすでに私がいたことで、大叔母の意識は深い所に追いやられ、記憶という形でしか表に出てくることしかできませんでした。 つまり今の私は大叔母の記憶の上に自らの人生の経験を重ねているという形になります。そのことは私の人格形成に大きな影響を与えているのはおそらく確かでしょうが、それでも私は私という個人であり、決して大叔母本人ではありません。

大叔母がどうして私の体に宿ってまでこの世に留まったのかその理由自体は大叔母の記憶を持つ私にも分かります。けれどその想いを果たすのは大叔母本人でなければいけません。すでにそれ自体試したことがありますが、やはり状況は変わりませんでした」

「だからかぷせるあにまるが必要だったと……」

ルリアが尋ねると、

「そうです」

セイラはきっぱりと応えました。そこに今度は、

「だけどそれで本当にうまくいくでしょうか……?」

ハカセが問い掛けて、これに対してもセイラは毅然とした様子で、

「確かにそのことについて不安がなかったと言えば嘘になりますが、本日こうしてお伺いしてそれは杞憂であることを改めて実感しました」

ルリアを見た後に、庭の方に視線を向けて、耳を澄ませました。その彼女の耳に、

「あはは♡」

ミコナの笑い声が聞こえてきたんです。

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