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ミコナ

お前の泣き顔なんか見たくねえ……

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『お前の泣き顔なんか見たくねえ……』

フカのその言葉が、すべてを表しているのだろうとカリナは感じました。つらい結末が待っているんだとしても、泣いているだけじゃどうにもならないと、ルリアの記憶を持つフカだからこそ分かるんです。

ミコナとハカセを置いてこの世を去らなきゃいけなかったルリアの記憶を。

それがつらくないわけありません。でも、つらいからこそ、それとどう向き合っていくかを考えないといけないんです。見ないふりをしていたってなかったことになるわけじゃありませんから。

その上で、泣いてばかりはいられないと。やらなきゃいけないことはあると。フカはそう言っているのです。

もちろん、カリナにも分かります。

「はい……」

応えて、涙を拭いました。

その時のことを思い出し、カリナは改めてミコナとガーと一緒に夕食を作りました。

そして、ハカセにはカツサンドを作って持っていきました。仕事しながら食べられるようにと作ったものでした。

「お父さん、晩ゴハン、ここに置いとくね」

ミコナが研究室の空いた机の上にカツサンドを置きます。

「ありがとう」

ハカセは、画面に向かったまま応えました。

「……」

ミコナはその様子に寂しさも感じつつ、研究室を出て行きます。

「仕事は順調だよ」

「せやな。期日までにはできるやろ」

「ああ、問題点は突き止められた。あとはそれに対処するだけだ」

ウルとティーさんとオウがそう言ってくれました。だからミコナも、少しだけ安心できたのです。

期日まではあと一週間。セイラは急かすようなことは言いませんけど、だからこそ厳しく評価するでしょうね。

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