【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

ガーと同じように待つことができない人が

こうしてハンバーグ作りを成功させてそれを食べ、ガーと一緒に片付けをした後は、一緒にお風呂に入ります。

そこでもガーは丁寧に接してくれました。決して乱暴な物言いをしません。高圧的な態度を取りません。ヴァドヤはそんな人を知りませんでした。彼女の周りにいる人は誰もすぐに怒ってきつい言葉を投げつけてきました。

知り合ったばかりの頃の夫だけです。彼女に優しかったのは。

確かに、ヴァドヤ自身がいつもおどおどして動きも判断も遅く、明らかに誰かに助けてもらおう自分の代わりにやってもらおうという考えが見え透いた態度だったというのはあります。そういう態度は相手を苛つかせるでしょう。

けれど、ヴァドヤだって何も悪気があってそうしてるわけじゃないんです。彼女の両親が彼女にあまりに高圧的に接していたことで人と接することに恐怖感を覚えてしまってそれで上手く対処できないだけなんです。体が竦んでしまって、委縮してしまって、頭も上手く働かなくなる。そこにまた強く言われるとさらに体も頭も上手く動かなくなる。そうするとさらにまた相手を苛立たせるの悪循環。

その悪循環を止めてくれる人と巡り会うことができなかったのが、ヴァドヤの一番の不幸だったのでしょう。

特に大人と言われる年齢になってからは、

『大人だったら自分で考えてできるでしょう！？』

みたいに言われるから余計に怖くなってしまって……

本当に、誰でも同じようにできるのなら苦労はしません。今、ガーがやってるみたいにしてヴァドヤと接すれば、ヴァドヤだって他の人よりはゆっくりだけどある程度はできるんです。

でも、ガーと同じように待つことができない人が多い。

自分ができることは誰でも同じようにできるというのなら、ガーと同じことができないとおかしいんです。