425 / 837
ミコナ
親って何なんだろうな……?
しおりを挟む
一方、サンギータの家では、ティーさんがささっとオムライスを作って、サンギータと一緒に夕食にしていました。
「美味しい……」
もうずっと家では自分で用意したインスタントかレトルト食品しか食べていなかったサンギータが、久々の手料理をしみじみと味わっていました。
「ティーさん、料理とかできたんだね……」
彼女のその言葉に、
「まあな。ワイは、ミコナの母親のルリアの記憶も持っとるしな。だからこう見えても母親みたいなもんやねん」
ティーさんが笑顔で応えます。けれどサンギータは言うのです。
「母親……か。母親って何なんだろうな……? 親って何なんだろうな……? こっちが頼んでもいねーのに勝手に生んでおいてそれで自分の思い通りならないからってキレたり被害者面したり、意味わかんねーよ。ベッドが欲しいんなら最初からペット飼ってておけよ。完全に思い通りにしてーんならペットロボットとって手もあるだろ。なんでわざわざ子供なんだよ」
「そうやな。サンギータはんの言うことももっともやと思う。けどな人間ってそんな完璧やない。子供作ろうってなった時にはイケると思うてても、実際に子供が来たら『うわ! こらあかん。自分には無理や!』ってなることもあるねん」
「なんだよそれ、無責任すぎんだろ! だったら最初から子供なんか作んなよ!」
「ほんまやな。サンギータはんの言うとおりや。返す言葉もあらしまへん。せやけど、せやけどなんや。サンギータはんにとっては誉められた親やないんかもしれんけど、ワイはこうしてサンギータはんに出逢えたのはええことやと思う。サンギータはん、親は信じられんかもしれんでも、ワイはサンギータはんにいててほしい思うねん」
「美味しい……」
もうずっと家では自分で用意したインスタントかレトルト食品しか食べていなかったサンギータが、久々の手料理をしみじみと味わっていました。
「ティーさん、料理とかできたんだね……」
彼女のその言葉に、
「まあな。ワイは、ミコナの母親のルリアの記憶も持っとるしな。だからこう見えても母親みたいなもんやねん」
ティーさんが笑顔で応えます。けれどサンギータは言うのです。
「母親……か。母親って何なんだろうな……? 親って何なんだろうな……? こっちが頼んでもいねーのに勝手に生んでおいてそれで自分の思い通りならないからってキレたり被害者面したり、意味わかんねーよ。ベッドが欲しいんなら最初からペット飼ってておけよ。完全に思い通りにしてーんならペットロボットとって手もあるだろ。なんでわざわざ子供なんだよ」
「そうやな。サンギータはんの言うことももっともやと思う。けどな人間ってそんな完璧やない。子供作ろうってなった時にはイケると思うてても、実際に子供が来たら『うわ! こらあかん。自分には無理や!』ってなることもあるねん」
「なんだよそれ、無責任すぎんだろ! だったら最初から子供なんか作んなよ!」
「ほんまやな。サンギータはんの言うとおりや。返す言葉もあらしまへん。せやけど、せやけどなんや。サンギータはんにとっては誉められた親やないんかもしれんけど、ワイはこうしてサンギータはんに出逢えたのはええことやと思う。サンギータはん、親は信じられんかもしれんでも、ワイはサンギータはんにいててほしい思うねん」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる