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ミコナ
まず状況を整理しておきたい
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ティーさんの提案でみんなでリビングに集まり、話をすることになりました。
「……」
「……」
「……」
でもさすがに、ガーとヴァドヤとサンギータでは会話になりません。
そこでウルが、
「まず状況を整理しておきたい。概要を話せる者はいるのかな」
そう切り出します。すると、ティーさんが、
「ほな、ワイの知っていることから話すのがちょうどええかもしれへんな」
サンギータが話し難そうにしているのを見て口を開きました。
「とりあえず ワイの知ってるところでは、サンギータはんの家庭はあんまりうまくいっとらんっちゅうこっちゃ。これがまず大前提にあるっちゅうことを頭に入れておいてもらいたいでんな」
すると続けてオウが、
「次は俺だな。さっき、カリナとガーと一緒に買い物に行ってたら、急にガーがいなくなった。で、いったん家に帰ってウルと一緒にガーの気配を辿ってきたらここに着いたということだ」
と説明し、さらにウルが、
「すると何やらとても不穏な様子だったから、あまりよくないことだとは思ったものの、窓の方から声を掛けさせてもらったらあの状況だったということだ」
付け足します。その上で、
「ガー、何があったのか、説明できるか?」
ガーに問い掛けました。けれど、ガーは、
「……」
ヴァドヤに抱かれたままただ黙っていて。
そしてようやくサンギータが、
「だからこの女がガーってコを攫ってきたんだろ? でも、このコはこの女を庇うし、もう訳分かんねえよ……」
頭を抱えます。その様子にティーさんは、
「ガーはん、無理に連れて来られたんでっか?」
諭すように問い掛けるけれど、
「……」
ガーはやっぱり答えなかったのでした。
「……」
「……」
「……」
でもさすがに、ガーとヴァドヤとサンギータでは会話になりません。
そこでウルが、
「まず状況を整理しておきたい。概要を話せる者はいるのかな」
そう切り出します。すると、ティーさんが、
「ほな、ワイの知っていることから話すのがちょうどええかもしれへんな」
サンギータが話し難そうにしているのを見て口を開きました。
「とりあえず ワイの知ってるところでは、サンギータはんの家庭はあんまりうまくいっとらんっちゅうこっちゃ。これがまず大前提にあるっちゅうことを頭に入れておいてもらいたいでんな」
すると続けてオウが、
「次は俺だな。さっき、カリナとガーと一緒に買い物に行ってたら、急にガーがいなくなった。で、いったん家に帰ってウルと一緒にガーの気配を辿ってきたらここに着いたということだ」
と説明し、さらにウルが、
「すると何やらとても不穏な様子だったから、あまりよくないことだとは思ったものの、窓の方から声を掛けさせてもらったらあの状況だったということだ」
付け足します。その上で、
「ガー、何があったのか、説明できるか?」
ガーに問い掛けました。けれど、ガーは、
「……」
ヴァドヤに抱かれたままただ黙っていて。
そしてようやくサンギータが、
「だからこの女がガーってコを攫ってきたんだろ? でも、このコはこの女を庇うし、もう訳分かんねえよ……」
頭を抱えます。その様子にティーさんは、
「ガーはん、無理に連れて来られたんでっか?」
諭すように問い掛けるけれど、
「……」
ガーはやっぱり答えなかったのでした。
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