【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

ここになぜいるのかを

ウルが口にした、

『じゃあ、君はガーがここになぜいるのかを知っているのかな？』

という問いかけにヴァドヤは大きく体を竦ませ、でもサンギータの方は、

「まったく分からない。なんでこのガーってコが私の家にいるのか……私が学校から帰ってきたらいたんだ。何がどうなって、この女とガーが一緒にいることになったのか、まったく分かんないんだよ……」

そこまで言って、でも、ギリッと奥歯を鳴らして、

「ううん……」

と頭を横に振りました。けれどすぐに言います。言いながら、

「ホントは分かってる……ガーがここにいる理由も……あんたらがここに来た理由も……私はもう破滅するんだ……私の人生はおしまいなんだ……このクズの所為で……このクズが、ガーを攫ってきたんだろ……？」

それこそもう、小学六年生の子供がしていいはずもない、怒りと絶望と悲しみとを鍋に放り込んでヘドロで煮たかのような、見る者に恐怖さえ覚えさせるような、狂気さえ感じさせるような、すさまじい表情で逆に問い掛けてきたのです。

手にした包丁を、もう、隠すこともせずに……そこから滑り落ちた包丁が、カツン！と音を立てて床に刺さりました。

そしてサンギータは崩れ落ちるかのようにその場に座り込み、言うのです。

「もういいよ……このクズも、あの男も、一緒に破滅してくれるんなら、もうどうでもいい。私一人がおしまいだってんなら許せねえけど、このクズとあの男も道連れにできんなら、まだ我慢できる……」

本当に、小学六年生の子供の言葉ではありませんでした。子供が口にできる言葉ではありませんでした。それはまさしく、

＜怨嗟＞

というものだったのです。