411 / 837
ミコナ
攫われてきたんじゃないのかよ……!?
しおりを挟む
ガーを攫ってきて犯罪者になって何もかもぶち壊しにしようとした母親を包丁で刺そうとしたサンギータの前に、そのガーが立ち塞がって、サンギータは戸惑います。
『え? なんで? 攫われてきたんじゃないのかよ……!?』
状況が掴めなくて混乱する彼女の耳に、
「おい! ガー!! いるのか!?」
リビングの窓の方から声が聞こえてきて、
「!?」
サンギータとガーとヴァドヤがそちらに視線を向けます。すると、レースのカーテンの向こうに、窓の向こうに、見たことのある影。
オウでした。そして、ウルもいる。
「いるのか、ガー! いたら返事をしろ!!」
怒鳴るオウを、
「待て待て、いきなり騒ぎを大きくするな! 近所迷惑だ!」
ウルがなだめようとしてるのも見えます。でも、カーテンの所為で向こうからは見えてないみたいで。だけど見えなくてよかったのかもしれません。サンギータが包丁を手にガーとヴァドヤの前に立っていたのですから、そんな光景をオウが見たら、それこそ何をしていたか。
サンギータは咄嗟に包丁は自分の後ろに隠して、カーテンと窓を開けました。すると、
「お前!? なんでここにいる!?」
サンギータを見たオウが声を上げ、
「ここは君の家なのか?」
ウルが問い掛けました。
「ああ、そうだ」
返事をしながらサンギータは察しました。オウとウルがガーを探してここに来たのだと。そしてやはり、自分の母親がガーを攫ってきたのだと。
けれど、それだと、ガーが庇うような態度を見せた意味が分かりません。どうして自分を攫った相手を庇おうとするのか……
確かに、いきなり包丁で刺そうとするのはやり過ぎだということなのかもしれませんが……
『え? なんで? 攫われてきたんじゃないのかよ……!?』
状況が掴めなくて混乱する彼女の耳に、
「おい! ガー!! いるのか!?」
リビングの窓の方から声が聞こえてきて、
「!?」
サンギータとガーとヴァドヤがそちらに視線を向けます。すると、レースのカーテンの向こうに、窓の向こうに、見たことのある影。
オウでした。そして、ウルもいる。
「いるのか、ガー! いたら返事をしろ!!」
怒鳴るオウを、
「待て待て、いきなり騒ぎを大きくするな! 近所迷惑だ!」
ウルがなだめようとしてるのも見えます。でも、カーテンの所為で向こうからは見えてないみたいで。だけど見えなくてよかったのかもしれません。サンギータが包丁を手にガーとヴァドヤの前に立っていたのですから、そんな光景をオウが見たら、それこそ何をしていたか。
サンギータは咄嗟に包丁は自分の後ろに隠して、カーテンと窓を開けました。すると、
「お前!? なんでここにいる!?」
サンギータを見たオウが声を上げ、
「ここは君の家なのか?」
ウルが問い掛けました。
「ああ、そうだ」
返事をしながらサンギータは察しました。オウとウルがガーを探してここに来たのだと。そしてやはり、自分の母親がガーを攫ってきたのだと。
けれど、それだと、ガーが庇うような態度を見せた意味が分かりません。どうして自分を攫った相手を庇おうとするのか……
確かに、いきなり包丁で刺そうとするのはやり過ぎだということなのかもしれませんが……
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の場に相手がいなかった件について
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵令息であるアダルベルトは、とある夜会で婚約者の伯爵令嬢クラウディアとの婚約破棄を宣言する。しかし、その夜会にクラウディアの姿はなかった。
断罪イベントの夜会に婚約者を迎えに来ないというパターンがあるので、では行かなければいいと思って書いたら、人徳あふれるヒロイン(不在)が誕生しました。
カクヨムにも公開しています。
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
義理の妹が妊娠し私の婚約は破棄されました。
五月ふう
恋愛
「お兄ちゃんの子供を妊娠しちゃったんだ。」義理の妹ウルノは、そう言ってにっこり笑った。それが私とザックが結婚してから、ほんとの一ヶ月後のことだった。「だから、お義姉さんには、いなくなって欲しいんだ。」
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる