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ミコナ
ほなまた明日
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そうしてる内にサンギータと別れる辺りまで来たとき、ティーさんは気付きました。
『……サンギータはん家の方やな……まさかな……』
そう思うものの、ミコナを家まで送り届けないといけないので、
「ほなまた明日」
言って、自宅への道に進むサンギータを見送りつつ、ミコナと家に帰る方向に進みます。
一方この頃、ガーを連れ帰ったヴァドヤは、自宅のリビングでショッピングバッグからガーを出して、テーブルの上に置きました。
「……」
突然のことにガーは怯えきっていて、体を縮こまらせ、涙を浮かべながら、ヴァドヤを見ていました。
そんなガーに、ヴァドヤは、
「大丈夫。怖いことしないから。でも急に連れてきてごめんなさい。だけど悪いのはあなたを放っておいた人達だから。私がこうして保護してあげないと、あなたはもっと怖い人達に、連れて行かれてたはずだから」
などと、自分の行為を棚に上げ、正当化してそう言うのです。
だけどそんな理屈が通用するはずもありません。ガーはますます怯えた様子で、ジリジリと後ろに下がっていきます。その自分を拒絶するかのようなガーの様子にヴァドヤは、
「ああ、ごめんなさい! やっぱり急にこんなこと言われても怖いよね……でも、私、こうするしか……」
と言って、両手で顔を覆って泣き出してしまったのです。
まったくもって情緒が安定していません。言ってることとやってることがバラバラです。だけどこれが、まさしく今のヴァドヤの状態を端的に表していると言えるでしょう。
彼女はもう自分で自分を満足に制御できなくなっているのです。
「……」
そんな彼女に、ガーの様子は逆に落ち着いていったのでした。
『……サンギータはん家の方やな……まさかな……』
そう思うものの、ミコナを家まで送り届けないといけないので、
「ほなまた明日」
言って、自宅への道に進むサンギータを見送りつつ、ミコナと家に帰る方向に進みます。
一方この頃、ガーを連れ帰ったヴァドヤは、自宅のリビングでショッピングバッグからガーを出して、テーブルの上に置きました。
「……」
突然のことにガーは怯えきっていて、体を縮こまらせ、涙を浮かべながら、ヴァドヤを見ていました。
そんなガーに、ヴァドヤは、
「大丈夫。怖いことしないから。でも急に連れてきてごめんなさい。だけど悪いのはあなたを放っておいた人達だから。私がこうして保護してあげないと、あなたはもっと怖い人達に、連れて行かれてたはずだから」
などと、自分の行為を棚に上げ、正当化してそう言うのです。
だけどそんな理屈が通用するはずもありません。ガーはますます怯えた様子で、ジリジリと後ろに下がっていきます。その自分を拒絶するかのようなガーの様子にヴァドヤは、
「ああ、ごめんなさい! やっぱり急にこんなこと言われても怖いよね……でも、私、こうするしか……」
と言って、両手で顔を覆って泣き出してしまったのです。
まったくもって情緒が安定していません。言ってることとやってることがバラバラです。だけどこれが、まさしく今のヴァドヤの状態を端的に表していると言えるでしょう。
彼女はもう自分で自分を満足に制御できなくなっているのです。
「……」
そんな彼女に、ガーの様子は逆に落ち着いていったのでした。
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