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ミコナ
ロックでんな!!
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初めてそんなサンギータを前にした時、ティーさんは、
「おおう! ロックでんな!!」
と驚きの声を上げました。そう、驚きの声です。決して嫌悪とかじゃなく。するとサンギータも、
「だろ! だろう!?」
嬉しそうに乗ってきたんです。その瞬間からティーさんとサンギータは意気投合して、仲良くなってしまいました。
サンギータの格好にはさすがのミコナも最初は驚かされましたけど、だからってサンギータが何か乱暴な言動をとるわけでもないし、ミコナ自身が他の人の好みや趣味についてあれこれ言わない子なので、すぐに慣れました。そして途中まで、一緒に帰ります。
実は先日の学芸会では、サンギータは出ていませんでした。彼女はデスメタルバンドでの演奏を提案したんですけど認められなくて、
「じゃあ、私は出ません」
とボイコットしたんです。もちろん自己都合でのそれは欠席扱いになるものの、サンギータにとっては全然問題ありませんでした。だって彼女は授業にはちゃんと出てますし、テストの成績だってほとんどの教科で百点を当たり前にとるくらいでしたから。ただ、大人にああしろこうしろと言われるのが嫌いなだけで。
なので、学校としても扱いの難しい生徒の一人ではありつつ、今では『触らぬ神に祟りなし』の方針だったようです。なにしろ服装と学校行事をボイコットする以外の問題行動がないわけで、成績表に『協調性を身につけましょう』と書くくらいしかできることがない。
「ミコナはパパとママのことは好きか?」
帰り道、不意にサンギータがそんなことを聞いてきます。それに対してミコナはためらうことなく、
「うん、好きだよ。大好き♡」
と答えます。そんなミコナに、サンギータは少し困ったみたいに笑って、
「そっか。それはいいな……」
って。その時のサンギータの表情を、ミコナは気になっていました。だけどミコナにできることはありませんでした。
「おおう! ロックでんな!!」
と驚きの声を上げました。そう、驚きの声です。決して嫌悪とかじゃなく。するとサンギータも、
「だろ! だろう!?」
嬉しそうに乗ってきたんです。その瞬間からティーさんとサンギータは意気投合して、仲良くなってしまいました。
サンギータの格好にはさすがのミコナも最初は驚かされましたけど、だからってサンギータが何か乱暴な言動をとるわけでもないし、ミコナ自身が他の人の好みや趣味についてあれこれ言わない子なので、すぐに慣れました。そして途中まで、一緒に帰ります。
実は先日の学芸会では、サンギータは出ていませんでした。彼女はデスメタルバンドでの演奏を提案したんですけど認められなくて、
「じゃあ、私は出ません」
とボイコットしたんです。もちろん自己都合でのそれは欠席扱いになるものの、サンギータにとっては全然問題ありませんでした。だって彼女は授業にはちゃんと出てますし、テストの成績だってほとんどの教科で百点を当たり前にとるくらいでしたから。ただ、大人にああしろこうしろと言われるのが嫌いなだけで。
なので、学校としても扱いの難しい生徒の一人ではありつつ、今では『触らぬ神に祟りなし』の方針だったようです。なにしろ服装と学校行事をボイコットする以外の問題行動がないわけで、成績表に『協調性を身につけましょう』と書くくらいしかできることがない。
「ミコナはパパとママのことは好きか?」
帰り道、不意にサンギータがそんなことを聞いてきます。それに対してミコナはためらうことなく、
「うん、好きだよ。大好き♡」
と答えます。そんなミコナに、サンギータは少し困ったみたいに笑って、
「そっか。それはいいな……」
って。その時のサンギータの表情を、ミコナは気になっていました。だけどミコナにできることはありませんでした。
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