339 / 837
ミコナ
なら、それでいいじゃねーか……
しおりを挟む
本当は、今すぐ、アリをイジメるのをやめさせるべきなんでしょうね。
だけどフカには、頭ごなしに、
『アリをイジメるな!!』
と怒鳴りつけてそれで問題が解決するとは思えませんでした。だからアリには申し訳ないですけど、ただ黙って見てるだけ。すると、タムテルの方が、
「……弱い者イジメすんなって言わないのかよ……」
逆にフカに尋ねてきました。それに対してフカは、
「アリが自分より<弱い者>だって分かっててやってんのかよ……」
呟くようにそう返しただけです。その言葉に、タムテルの手が止まります。
「……」
アリに砂を掛けようとする姿勢のままで動かない。そんなタムテルに、フカは、
「そうだよな。お前の母親だって、お前やファミレスの従業員が自分より力とか立場が弱くて反撃できないのを知ってるからやってんだよな。弱い相手をいたぶる奴は、相手が自分より弱いのが分かってるからそんなことできるんだよな。オレにゃそれのどこがカッコいいんだかまるで理解できねえよ……」
そう言いながらも、実はフカ自身、泥棒に噛み付こうとした時には、自分が泥棒よりも強いのが分かってたからそうしようと思っただけでした。泥棒の方が自分よりも強いと分かってたらできなかったでしょう。だから、タムテルにそんなことを言いながらも、
『オレも同じか……』
とは思います。
自分より弱い相手に噛み付いていくなんて、何もカッコいいことじゃない。ミコナはそれが分かってる。ミコナが止めてくれたことには今では感謝しています。
そんなフカにタムテルは言います。
「カッコいいとか……そんなの関係ない……」
だけどフカには、頭ごなしに、
『アリをイジメるな!!』
と怒鳴りつけてそれで問題が解決するとは思えませんでした。だからアリには申し訳ないですけど、ただ黙って見てるだけ。すると、タムテルの方が、
「……弱い者イジメすんなって言わないのかよ……」
逆にフカに尋ねてきました。それに対してフカは、
「アリが自分より<弱い者>だって分かっててやってんのかよ……」
呟くようにそう返しただけです。その言葉に、タムテルの手が止まります。
「……」
アリに砂を掛けようとする姿勢のままで動かない。そんなタムテルに、フカは、
「そうだよな。お前の母親だって、お前やファミレスの従業員が自分より力とか立場が弱くて反撃できないのを知ってるからやってんだよな。弱い相手をいたぶる奴は、相手が自分より弱いのが分かってるからそんなことできるんだよな。オレにゃそれのどこがカッコいいんだかまるで理解できねえよ……」
そう言いながらも、実はフカ自身、泥棒に噛み付こうとした時には、自分が泥棒よりも強いのが分かってたからそうしようと思っただけでした。泥棒の方が自分よりも強いと分かってたらできなかったでしょう。だから、タムテルにそんなことを言いながらも、
『オレも同じか……』
とは思います。
自分より弱い相手に噛み付いていくなんて、何もカッコいいことじゃない。ミコナはそれが分かってる。ミコナが止めてくれたことには今では感謝しています。
そんなフカにタムテルは言います。
「カッコいいとか……そんなの関係ない……」
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる