【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

あんなに大変な思いして産んでやったのに

だけど、タムテルの母親を＜悪者＞にして、

『お前が悪い！』

と責めてそれで何か問題が解決するのでしょうか？　フカ自身、元はルリアだったから＜母親＞でもありますし、母親ならではの心理的な問題については記憶もあります。

『あんなに大変な思いして産んでやったのに』

という気持ちは心のどこかに常にあるんです。だから自分の思い通りにならなかったらそれこそそういう気持ちが頭をもたげてきてしまう。

幸いルリアは、不器用だけど同じ道筋を見てくれてるハカセと出逢えたことで彼と力を合わせてミコナと向き合うことができました。

その後、不幸にも病気で命を失う結果にはなったものの、ハカセと共にしっかりとミコナと向き合ってきたことで、安定した自己肯定感を持ち、飛び抜けた才能を見せるわけではないものの少なくとも自分が対処するべき事象について向き合うことのできる自己実現能力を備えた子に育ってくれています。

母親を亡くしたこととも折り合いをつけられているのが、まさにその証拠でしょう。ハカセと共に自分の人生をまっとうに歩んでいこうとしてくれてるんですから。

この先、きっと様々な苦労もあるでしょうけど、それを乗り越える努力をし、その上で自分の力では足りない部分について他の人に助力を頼むことができる子になってくれているのが分かります。

だからルリアも、『あんなに大変な思いして産んでやったのに』という気持ちに囚われずに済んだ。

だけど、そんなルリアでさえ、ハカセというパートナーを得られていなかったら、あんなに穏やかではいられなかったでしょうね。

ルリアの記憶を持つフカには、それが分かってしまうんです。