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ミコナ

そういうことだよな……

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「……」

タムテルと少し話したフカは、険しい表情のまま、ミコナの家に帰っていきます。そして、

『オレは、あいつと会って何をしようとしてるんだ……?』

そう自分に問い掛けました。そうなんです。タムテルに対して『そんなことしてて楽しいのか?』と訊いたフカ自身、自分が何のために何をしようとしてどうなってほしくて彼に関わったのか、実は明確なものは何もなかったんです。ただ何となくそうせずにいられなかったというだけで。

『オレも、あのタムテルとかいうのと同じか……』

そんな風にも思います。

でも、それでいいのかもしれません。誰だって完璧にはなれない。一つも間違わないで生きていくことなんてできない。正しいことしかしないわけじゃない。それどころか、『何が正解かも分からない』というままで生きていくことだって多いでしょう。

今日のフカの行動だって、正しいかどうかなんてフカ自身にさえ分かりません。もしかしたらかえって悪い方向に働くかもしれない。

『……でも、首を突っ込んじまった以上、後戻りはできないな』

そう思います。思いながらミコナの家が見えてくると、

「……」

フカは、自分がホッとするのを感じました。

「結局、そういうことだよな……」

ミコナの家に帰ってきた自分がこうやってホッとするというのが<答>だと思ったんです。

きっと、タムテルは自分の家に帰る時、こんな気持ちにはならない。むしろ家に帰るのが苦痛なのでしょう。だから公園に寄り道して、アリをイジメてる。アリをイジメて、アリが苦しんでいるところを困っているところを見て、そしてアリの命を踏みにじって、それから家に帰る。

そうしないと家に帰れないということでしょうね。

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