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ミコナ

ルールで一律に

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教師に対して家に仕事を持ち帰ってプライベートな時間を削らせてまで働かせてたのですから、少しでも負担を減らそうとルールで一律に生徒を縛って操れば効率的だと考えてしまうのも無理はなかったんでしょう。

今ではそれは見直され、テストの問題については、事前に用意されたテスト用設問例の中からピックアップしたり、AIを用いて問題を自動で生成したり、採点についても、専用の採点装置を使ったりという形で、省力化が行われています。教師は、そうやって作られたテストの案をチェックしたり、採点ミスがないかどうかを確認するだけでよくなっているんです。

また、何かと問題視されていた<クラブの顧問>についても、コーチなどについては専門職を派遣してもらったりすることで、教師はあくまで責任者として管理するだけで済むようにしています。

これにより、学校内での人間関係について教師がある程度は目を光らせることもできるようになりました。

なお、イジメについては、『イジメがまったくないということはない』という大前提のもとに、『イジメをなくす』ことを目的にはせず、あくまで<イジメの疑い>の段階で対処するようにもなっています。しかもその対処自体、専門の職員を配し、イジメの疑いありとされた事例については積極的に関与するようになっているんです。

これにより、イジメられてもそれを放置されることが減り、結果として、事件になるような重大なイジメについては激減したそうです。

こういった諸々の対応には当然コストもかかりますけど、マナ転換炉の登場により学校内で自家発電が行えるようになったことで、電気代の分をそちらに回すことができるようになった上に、学校や児童福祉に予算を回すようになったことが大きく影響していたのでした。

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