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ミコナ

私達ただのモブだから

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こうしてミコナは、ルイネとエンファと一緒にゲームを始めました。いつもやってる<サンドボックスゲーム>でした。そしてゲームをしながら、

「にしても、セイラってすごいよね。自分で劇のお話変えちゃうんだもん」

ミコナが口にすると、

「だよね。私なんかは、もうそのままでいいんじゃないかと思ってた。確かになんかしっくりこないってのはあったけど、どうせ学校の劇なんだから、あんまり気にしてもって思ったし」

ルイネが言います。けれどこれに対してはエンファが、

「私は、新しい方のお話の方が好きだな。悲しいお話は好きじゃない……」

しみじみとした様子で言います。確かに、エンファ自身、大変な病気で辛い思いもしてきましたから、ちょっと劇の内容が身につまされてしまったんでしょう。

そんなエンファには、ルイネも、

「まあ、そうだけどさ」

とトーンダウン。そこにミコナが、

「でも二人とも、かんばってるよね。上手だと思うよ」

って。だけどそれには二人とも、

「いや、でも私達ただのモブだから。セリフも少しだけだし」

「うん。だよね。ミコナちゃんに比べたら全然楽だよ」

申し訳なさそうに返します。

確かに、ミコナは、<女の子のお母さん>役で、どちらかと言えば憎まれ役でしかも前に出てくるから目立つんです。もしかしたら劇の後で他のクラスの子とかに何か言われたりするかも。

それを考えたら、宇宙人や科学者達や男の子女の子の方が、<いいもの>って感じですし。

けれど、ミコナは、平然としてて、

「そっかなあ。私もそんなにいっぱいセリフあるわけじゃないから、もう全部覚えられたよ」

と笑顔なのでした。

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