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ミコナ

学校任せ

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ハカセもルリアも、ミコナのことを学校任せにはしませんでした。自分達が本来教えるべきことを、自分達が本来気を付けるべきことを、学校任せに、他人任せには、しないんです。

だって、学校は、勉強をしに行くところですから。子供を躾けてもらう場所じゃありませんから。今ではそういう認識もかなり浸透しましたけど、それでも、『面倒だから』『忙しいから』と言って、自分の子供と向き合う手間を学校に丸投げする親も少なからずいました。

人としてやっていいことよくないことを自分で教えるんじゃなく学校に教えさせようとして、親からそれを学んでいない子供が学校で問題行動を起こす事例が少なからずありました。

しかもそういう親は、自身の不作為を棚に上げ、子供の問題行動の原因は学校側にあるとして逆に苦情を入れてくる場合もあるんです。

幸い、ミコナのクラスではそこまでのことはありませんでしたけど、ソリティの事例などは、学校とアルマの両親に丸投げしていたとも言えますね。これについてはまだ、アルマの両親が頑張ってくれていましたので、マインの頑張りもあり、危ういバランスではありますけど、かろうじて大きなトラブルにはなっていません。

だけどその分、マインの負担が大きくなっていることは事実です。本来、マインは、担任としてクラスの生徒達全員にまんべんなく気を配らなければいけないのに 、授業中以外では、クラスのことは副担任に任せきりで、ソリティにかかりきりになっているという現実もあります。

これは、マイン個人の熱意に依存しているということでもあるから、本来は決して好ましい状態ではないんです。

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