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ミコナ

どういう結末にするのか

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「そうですね。セイラさんのおっしゃることももっともだと思います。では、どういう結末にするのかについて、話し合ってみましょう」

マインの提案に、多くの生徒は、少し、戸惑ったような表情も見せました。

『めんどくさい』

と考えているのが一目見て分かるそれが、大多数の生徒の正直な気持ちだったでしょう。

『なんかピンとはこないけど、別に元々あるんだからそのままやったらいいじゃん』

とほとんどの生徒はそう考えているんでしょうね。

確かに、これまで演じられてきたそのままで今回やったとしても、きっと、何も問題はありません。これまでずっとこの結末で演じられてきたんですから、それで何も問題はなかった。

だけど、ピンとこない結末なのもまた事実です。

学芸会当日まではまだ十分に時間もある。急ぐ必要もありません。覚えるセリフの量もしれているし、料金を取って観客に見せる<商品>ではありませんから、品質に拘る必要もない。無難にこなせればそれで十分なんです。

その中で、どれだけ、自分達が拘ることができるか。

それも試されるのが、学芸会というものなのでしょう。

気楽に考えてもいい。その一方で、出来に拘ってもいい。そのどちらも許される。

ならば、無理のない範囲で拘ってみたい。

セイラはそう思っていたようです。

一通りセリフを読み終え、話の内容も確認できた。そこで、

「では、どのようにすればいいか、アイデアのある人」

マインが声を掛けると、

「……」

「……」

みんなは顔を見合わせたり視線を逸らしたりして、積極的に口を開こうとはしませんでした。

すると、セイラは言ったんです。

「私は、宇宙人の仲間が迎えに来て、ひどいことをした人々に宣戦布告するのがいいと思います」

って。

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