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ミコナ

大統領は

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科学者A、科学者B、男の子、女の子、こうして少しずつ宇宙人の言葉に耳を傾ける人が増えてきました。

それでも大統領は、

「発展を! 発展を! 科学と技術と産業の発展こそが人類を幸せに導いてくれる!! 我々は歩みを止めてはいけない! 停滞は緩慢なる死である!! 人類は歩み続けるべきなのだ!!」

そう演説しました。

なのに宇宙人は、その大統領を責めようとはしません。

「どうして?」

と問う男の子と女の子に、宇宙人は言うのです。

「大統領は、自分達が正しいと自分が思うことを力強く行うのが役目なんだ。その大統領に考えを改めてもらうには、大統領が正しいと認められるだけの情報を提示する必要があるんだ。それをしないで『お前は間違っている』とどんなに声高に叫んでも、相手にはしてもらえないよ」

宇宙人の言葉に、男の子も女の子も、悲しそうに俯くしかできませんでした。確かに、テレビで、偉い政治家達が『反対! 反対!』と叫んでも何も変わらないのを、ずっと見てきましたから。

だけど、そうこうしている間に、男の子と女の子も、毒のせいで病気になってしまいました。

「痛い、苦しい…!」

男の子と女の子は、ベッドの上で、何度も呻きます。さらには、あまりの苦しさに、

「うわーっ!!」

と、大きな声を上げながら暴れるのです。そして男の子や女の子と同じ病気の子供達が次々と現れます。それは科学者Aと科学者Bが論文の中で触れていた毒による病気のひとつでした。

大人よりも体の小さい子供は、毒の影響を受けやすく、どんどんと先に病気になっていくのです。

こうしてようやく、人々は、

『もしかしたら』

と思うようになっていったのでした。

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