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ミコナ
物分かりが良すぎる
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ミコナがウル達との別れを理解しているのを、
『物分かりが良すぎる』
と感じる人もいるかもしれません。だけどミコナは、すでにママとの別れを経験しているんです。その上で、ハカセにとても大切にしてきてもらえた。辛いこともあるこの世界に生まれてきたことを後悔はさせなかった。
だから、これからもきっと辛いことはあるだろうけど、それと向き合っていく勇気を与えてもらえた。そういうことなんです。
「いってきます!」
用意を済ませて、ミコナは元気よく学校に向かいました。もちろん、フカも一緒です。
それを見送ったハカセが、
「あの子の方が僕なんかよりずっと立派だな……」
そう、つぶやきます。
すると、一緒に見送っていたウルが、
「そうだね。あの子は本当に立派だ。だけど、あの子の立派さに甘えてちゃいけないと、僕は改めて思ったよ」
って。続けてティーさんが、
「いやはや、まったくや。ワイらほんまに形無しやで。これやと、ワイらがミコナはんに慰めてもらうために来たようなもんやないか。情けない限りやで」
頭を掻きながら言いました。
ガーは、ウルとティーさんの言葉に俯いてしょんぼりしています。自分が一番、ミコナに甘えていることを思い知らされていたんでしょう。
でも、ハカセは、
「だからって、僕達が凹んでいても何も始まらない。ミコナに負けないように頑張らなくちゃ」
と言って、顔を上げます。それに対して、ティーさんは、
「その意気や! ハカセ。さすがはルリアが惚れたお人やで!」
声を上げました。
「ああ、僕達も負けていられない」
「うん……」
ウルとガーも、気を入れ直していたのでした。
『物分かりが良すぎる』
と感じる人もいるかもしれません。だけどミコナは、すでにママとの別れを経験しているんです。その上で、ハカセにとても大切にしてきてもらえた。辛いこともあるこの世界に生まれてきたことを後悔はさせなかった。
だから、これからもきっと辛いことはあるだろうけど、それと向き合っていく勇気を与えてもらえた。そういうことなんです。
「いってきます!」
用意を済ませて、ミコナは元気よく学校に向かいました。もちろん、フカも一緒です。
それを見送ったハカセが、
「あの子の方が僕なんかよりずっと立派だな……」
そう、つぶやきます。
すると、一緒に見送っていたウルが、
「そうだね。あの子は本当に立派だ。だけど、あの子の立派さに甘えてちゃいけないと、僕は改めて思ったよ」
って。続けてティーさんが、
「いやはや、まったくや。ワイらほんまに形無しやで。これやと、ワイらがミコナはんに慰めてもらうために来たようなもんやないか。情けない限りやで」
頭を掻きながら言いました。
ガーは、ウルとティーさんの言葉に俯いてしょんぼりしています。自分が一番、ミコナに甘えていることを思い知らされていたんでしょう。
でも、ハカセは、
「だからって、僕達が凹んでいても何も始まらない。ミコナに負けないように頑張らなくちゃ」
と言って、顔を上げます。それに対して、ティーさんは、
「その意気や! ハカセ。さすがはルリアが惚れたお人やで!」
声を上げました。
「ああ、僕達も負けていられない」
「うん……」
ウルとガーも、気を入れ直していたのでした。
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