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ミコナ
だからオレは
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帰るために、エティトとルプスとルイネとエンファが玄関を出ると、
「……」
フカが屋根の上から四人を見下ろしていました。
「フカ、また来るよ!」
エティトは笑顔で手を振ります。
「……好きにしろ……」
フカはぷいっと横を向いて、そう応えました。
「おうよ! 好きにする!」
エティトはやっぱりニカッと笑って親指を立てたのです。
「バイバイ」
ルプスもにっこりと微笑みながら手を振りました。
「またね」
ルイネとエンファは声を揃えて手を振りました。
こうして帰っていく四人を見送り、
「ふん……!」
鼻を鳴らしたフカに、
「一緒に、夕食はいかがですか?」
カリナが声を掛けます。ミコナ達が遊んでいる間に、夕食の用意をしてくれていたんです。今日は、ウルとティーさんとガーも、エティト達の相手で忙しくて夕食の準備はできませんでした。代わりにカリナが一人で頑張ってくれたんです。
以前はそれが普通だったんですけどね。
「……そうだな……」
フカも、相変わらずの仏頂面ですけどそう応えて、屋根から降りてきました。
それを、カリナが両手で受け止めるようにすると、フカはそこに収まってくれて。
実はカリナには、ハカセがウル達と何を話していたのか、なんとなく察せられてしまっていたんです。
「かぷせるあにまるがちゃんと完成したら、フカも、先輩に戻ってしまうんですね……」
自分の胸の辺りにフカを抱くようにして、カリナが呟くように口にします。
それに対してフカは、
「……最初から分かり切ってたことだ……だからオレは、慣れ合うなって言ってたんだ……」
顔を逸らしたまま、やっぱり呟くように言ったのでした。
「……」
フカが屋根の上から四人を見下ろしていました。
「フカ、また来るよ!」
エティトは笑顔で手を振ります。
「……好きにしろ……」
フカはぷいっと横を向いて、そう応えました。
「おうよ! 好きにする!」
エティトはやっぱりニカッと笑って親指を立てたのです。
「バイバイ」
ルプスもにっこりと微笑みながら手を振りました。
「またね」
ルイネとエンファは声を揃えて手を振りました。
こうして帰っていく四人を見送り、
「ふん……!」
鼻を鳴らしたフカに、
「一緒に、夕食はいかがですか?」
カリナが声を掛けます。ミコナ達が遊んでいる間に、夕食の用意をしてくれていたんです。今日は、ウルとティーさんとガーも、エティト達の相手で忙しくて夕食の準備はできませんでした。代わりにカリナが一人で頑張ってくれたんです。
以前はそれが普通だったんですけどね。
「……そうだな……」
フカも、相変わらずの仏頂面ですけどそう応えて、屋根から降りてきました。
それを、カリナが両手で受け止めるようにすると、フカはそこに収まってくれて。
実はカリナには、ハカセがウル達と何を話していたのか、なんとなく察せられてしまっていたんです。
「かぷせるあにまるがちゃんと完成したら、フカも、先輩に戻ってしまうんですね……」
自分の胸の辺りにフカを抱くようにして、カリナが呟くように口にします。
それに対してフカは、
「……最初から分かり切ってたことだ……だからオレは、慣れ合うなって言ってたんだ……」
顔を逸らしたまま、やっぱり呟くように言ったのでした。
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