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ミコナ

なんで勉強なんかしなきゃいけないんですか?

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こうして、ソリティとマインは、たくさんたくさん話し合うようになりました。

「先生、なんで勉強なんかしなきゃいけないんですか?」

ソリティがそう問いかけると、マインは、

「そうですね。色々なことを知っていると、色々な面から自分の可能性を考えることができるようになるんです」

そう応え、それに対して、ソリティが、

「可能性? 可能性って何ですか? 私は生きてる意味さえ分からないんです。生きてる意味もないのに、どんな可能性があるって言うんですか? 私はしたいこともないし、なりたいものもないんです。可能性なんか全然意味がない」

返すと、

「したいこともない。なりたいものもない。ですか。じゃあ、こうして、今、先生と話をしていることは、『したいこと』じゃないんですか?」

と応えます。これには、ソリティも、

「あ……」

言葉に詰まりました。そんな彼女を見たマインは、にっこりと笑顔を浮かべ、

「ソリティさんは、こうやってお話をしたいんですよね。大人の私を、やり込めたいんですよね。本当はご両親に対して言いたいのかもしれませんけど、そのご両親は、ソリティさんと話をしてくれない。だったらやっぱり先生と話をしましょう。先生と一緒に、ソリティさんのご両親がどうしてソリティさんを生んだのか、考えましょう。

ソリティさんも分かってるはずです。こうやってたくさん話をするには、いろんなことを知ってないと駄目ですよね。ソリティさんが大人をやり込めたいのなら、大人が答えられないくらいにいろんなことを知ってた方がいいんじゃないでしょうか。

大人をやりこめたいから勉強する。それでもいいと先生は思うんです。勉強をする動機なんて何でもいい。だけど自分のやりたいことをやるには、やっぱり、いろんなことを知っていた方が近道なんじゃないでしょうか」

そう、言ってみせたのでした。

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