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相手を否定はしないように

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『ホンマ、自分と他人が違うってことを理解できんのがおるっちゅうのがナゾやわ』

そんなことを思うティーさんですけど、だからといって、自分の考えを他人に押し付けることもしません。だって他人は自分とは違うんですから。自分の考えを押し付けたら『自分と他人は違う』というのを否定することになってしまいます。まさに矛盾です。

ルリアの豪放磊落さは、自分と他人が違うことを認めているからこそのものでした。

ただ、オウやフカに対しては、厳しいことも言いますけど。だって、同じルリア自身なんですから。自分自身には厳しいことも言うんです。

でも同時に、つい、甘えてしまうこともある。

『ワイもなんだかんだ自分に甘いところもあるさけな。他人にはあんまし厳しいことを言うのも違いますやろ』

そんな風にも思うんです。ハカセに対して厳しいことを言ってる時も、実は、それでハカセが凹むようなことがあればフォローするつもりでしたし。

ミコナに対しても、頭ごなしには言いませんでした。

ミコナの鷹揚さは、ルリアのそういう部分を受け継いだのでしょうね。

厳しいことを言ってるように見える時も、実は相手を否定はしないようにしているという。

カリナに対しても、

『ルリアやった頃にカリナはんの気持ちに気付いてたとしても、ルリアはハカセを選んでた。これは、カリナはんが同性やからってことやない。ルリアはハカセが好きなんや。せやからハカセを選ぶ。これだけははっきりさせておかなな』

とは言いましたけど、それは決して、カリナの気持ちを否定したのではありません。認めた上での話です。

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