118 / 837
お茶にしませんか?
しおりを挟む
カリナが紅茶を入れ、みなでお茶にします。
でも、その前に……
「どうですか? お茶にしませんか? 先輩…ルリアさんが好きだったパンケーキを、ご主人様が買ってきてくださったんです」
迎えに出たカリナにそう声を掛けられ、フカは、彼女には視線を向けずに、黙っていました。
「……」
そして、カリナが諦めて悲しそうな表情で家に戻ろうとしたその時、
「少しだけな……」
届いてきた声。
「!? はい……!」
振り向いた彼女はとても嬉しそうに笑顔でした。
こうしてようやくリビングに入ってきたフカを、
「お~! フカはん、先にいただかせてもらってまっせ!」
ティーさんがまた満面の笑顔で迎えます。
「味は昔のままだ。安心するといい」
オウも嬉しそうに言い、
「これ……」
ガーが切り分けられたパンケーキが乗った皿を二つ、フカとカリナの前にそれぞれ置きました。
「……」
フカが仏頂面なのはともかくとして、
「あ、いえ、私は……!」
カリナがすごく恐縮した様子で手を振ります。だけどそれに対してウルが。
「いいんだ。カリナももう僕たちの家族みたいなものだから、一緒に楽しみたいんだよ」
笑顔でそう言われた上に、
「……遠慮すんな。食え……」
フカにまでそう言われては、
「は…はい…っ!」
聞き入れるしかありませんでした。
ハカセも、自分でコーヒーを淹れて、寛いでいます。
そうして、みなでパンケーキと紅茶をいただきながら、穏やかな時間を過ごしました。
カリナは、自分の横でガツガツとパンケーキを貪るフカの姿に、視線は向けずに意識だけを向けながら、
『よかった……』
とホッとして。
フカがようやく、こうしてみんなと一緒にいられるようになったことに、内心、胸を撫で下ろしていたんです。
もっとも、当のフカ自身は、食べ終えると、早々に、
「……美味かった……じゃあな……」
つっけんどんな様子で、また外に出て行ってしまったんですけど。
でも、その前に……
「どうですか? お茶にしませんか? 先輩…ルリアさんが好きだったパンケーキを、ご主人様が買ってきてくださったんです」
迎えに出たカリナにそう声を掛けられ、フカは、彼女には視線を向けずに、黙っていました。
「……」
そして、カリナが諦めて悲しそうな表情で家に戻ろうとしたその時、
「少しだけな……」
届いてきた声。
「!? はい……!」
振り向いた彼女はとても嬉しそうに笑顔でした。
こうしてようやくリビングに入ってきたフカを、
「お~! フカはん、先にいただかせてもらってまっせ!」
ティーさんがまた満面の笑顔で迎えます。
「味は昔のままだ。安心するといい」
オウも嬉しそうに言い、
「これ……」
ガーが切り分けられたパンケーキが乗った皿を二つ、フカとカリナの前にそれぞれ置きました。
「……」
フカが仏頂面なのはともかくとして、
「あ、いえ、私は……!」
カリナがすごく恐縮した様子で手を振ります。だけどそれに対してウルが。
「いいんだ。カリナももう僕たちの家族みたいなものだから、一緒に楽しみたいんだよ」
笑顔でそう言われた上に、
「……遠慮すんな。食え……」
フカにまでそう言われては、
「は…はい…っ!」
聞き入れるしかありませんでした。
ハカセも、自分でコーヒーを淹れて、寛いでいます。
そうして、みなでパンケーキと紅茶をいただきながら、穏やかな時間を過ごしました。
カリナは、自分の横でガツガツとパンケーキを貪るフカの姿に、視線は向けずに意識だけを向けながら、
『よかった……』
とホッとして。
フカがようやく、こうしてみんなと一緒にいられるようになったことに、内心、胸を撫で下ろしていたんです。
もっとも、当のフカ自身は、食べ終えると、早々に、
「……美味かった……じゃあな……」
つっけんどんな様子で、また外に出て行ってしまったんですけど。
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる