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生きるってこういうこと

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こうしておとなしく家まで戻ったフカですけど、その様子は明らかに不満げでした。

でも、生きるってこういうことですよね。何でもかんでも自分の思い通りにはいかない。何でもかんでも自分の思い通りにいかそうとしてるのが、あの泥棒のような人達ということでしょう。

自分の思い通りにならない部分を、ルールを破ってでも、誰に迷惑を掛けてでも、思い通りにしたい。

そんな風に考えてる。

だけどフカはそうじゃなかった。

『ルールに従ってたら悪人をぶっとばせないのならそれはルールの方が間違ってる』と思いつつ、ハカセやミコナに迷惑を掛けてまで自分の思い通りにしようとはできない。

もっとも、フカ自身はそれを認めたくないみたいですけど。

『ハカセやミコナのためじゃねえ……ちょっと気乗りしなかっただけだ……』

とか考えて、不機嫌そうにまた屋根に陣取っていました。

そこに、

「おはようございます」

カリナの姿。

「……おう……」

不機嫌そうながらフカが応えます。

そんなフカの様子は気になりながらも、それがフカだというのはもうカリナにも分かっているので、そのまま家に入り、

「おはようございます」

すでに掃除を始めていたウル、ティーさん、ガーに改めて挨拶します。

「おはよう」

「おはようさん」

「おはよう……」

カリナのための待機部屋としてあてがわれた小部屋に入って着替えた彼女は、

「おはようございます」

研究室のハカセにも挨拶し、早速、掃除を始めました。

今日は、昨日だけではやりきれなかった部分を重点的にです。キッチンや廊下や玄関の、人間の目が届かない隅とか。

「カリナには、今日はリビングとお風呂、それと外をお願いするよ」

「分かりました」

ウルの指示を受けて、カリナは早速、リビングの掃除を始めたのでした。

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