59 / 837
ハカセだけじゃない
しおりを挟む
そうして、トイレとお風呂場とリビングを徹底的に掃除。お昼前にようやく一段落しました。
「残りは昼からかな」
「そうでんな」
ウルとティーさんが話していると、
「まあな。俺もまだ納得はしていない」
オウが掃除用のハンディワイパーをまるで大剣のように構えて、勇ましそうに言いました。
もうすっかりそのつもりのようです。
ところで、ウル達がリビングの大掃除に夢中になっている間、お手伝いさんはと言うと、言われたとおりに玄関の掃除をした後で庭の掃除もしていました。
トイレ、お風呂場、リビングの掃除をしなくて済んだ分、彼女もいつも以上に丁寧に時間をかけて掃除をします。
『楽できるんだから楽すればいいや』
とは、思わないタイプの人だったのです。
玄関もこれまで以上に丁寧に掃除をして、それを終わらせた彼女は、庭についてはいつも以上に丁寧に掃除をし始めました。
落ち葉などを丁寧に集めて、それも終わらせると、今度は芝刈り機で芝を狩ります。
実はこの芝刈り機も、ハカセの発明品でした。<かぷせるあにまる>達が活動できる素となっている<マナ>を利用した芝刈り機で、単三乾電池四本で半年くらいは使えるという画期的なものでした。
乾電池の電力はマナを制御するための回路を作動させるためのもので、カッターを動かすエネルギーはマナを使っているから、そんな僅かな電力で済むという。
もうすでに十年以上前に発明したものですが、世界中で売れていて、そのパテント料が入ってくるというわけです。
もっとも、
<ハカセが発明したそれとは別の方式でマナを制御して機械を作動させるもの>
が後から発明されたことで、今では<大儲け>とまではいってませんけど。
世の中の<発明家>はハカセだけじゃないので、仕方ないですね。
「残りは昼からかな」
「そうでんな」
ウルとティーさんが話していると、
「まあな。俺もまだ納得はしていない」
オウが掃除用のハンディワイパーをまるで大剣のように構えて、勇ましそうに言いました。
もうすっかりそのつもりのようです。
ところで、ウル達がリビングの大掃除に夢中になっている間、お手伝いさんはと言うと、言われたとおりに玄関の掃除をした後で庭の掃除もしていました。
トイレ、お風呂場、リビングの掃除をしなくて済んだ分、彼女もいつも以上に丁寧に時間をかけて掃除をします。
『楽できるんだから楽すればいいや』
とは、思わないタイプの人だったのです。
玄関もこれまで以上に丁寧に掃除をして、それを終わらせた彼女は、庭についてはいつも以上に丁寧に掃除をし始めました。
落ち葉などを丁寧に集めて、それも終わらせると、今度は芝刈り機で芝を狩ります。
実はこの芝刈り機も、ハカセの発明品でした。<かぷせるあにまる>達が活動できる素となっている<マナ>を利用した芝刈り機で、単三乾電池四本で半年くらいは使えるという画期的なものでした。
乾電池の電力はマナを制御するための回路を作動させるためのもので、カッターを動かすエネルギーはマナを使っているから、そんな僅かな電力で済むという。
もうすでに十年以上前に発明したものですが、世界中で売れていて、そのパテント料が入ってくるというわけです。
もっとも、
<ハカセが発明したそれとは別の方式でマナを制御して機械を作動させるもの>
が後から発明されたことで、今では<大儲け>とまではいってませんけど。
世の中の<発明家>はハカセだけじゃないので、仕方ないですね。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる