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学校の門をくぐるまで

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「おはよう、ミコナ」

「おはよう、ミコナちゃん」

そう挨拶して合流したのは、ルイネとエンファでした。

「おはよう」

ミコナも笑顔で応えます。

するとルイネが、

「その子……」

ミコナの横に浮かんでるフカを見て呟きました。

「ああ、フカだよ。ボディーガードとしてついてきてくれたんだ」

ミコナが紹介してくれたのに、

「ふん…!」

フカは愛想悪くそっぽを向くだけで。

「あはは……」

ルイネとエンファは苦笑い。だけどこれ以上は触れない方がいいと二人も察して、話題を変えて、

「まあそれはいいとして、昨日は大変だったね」

「そうそう。泥棒なんて初めて見た……!」

少し興奮気味に話し掛けます。

「そうだね。びっくりしちゃった」

ミコナも素直な気持ちを口にします。

言いながら歩くと、学校が見えてきました。しかも、

「おはようございます」

「おはよう」

道端に立って、通り掛かる生徒達から挨拶を受けている大人の姿。

ミコナの学校の先生でした。昨日の泥棒騒ぎを受けて、通学路の途中に立っていたのです。

ここまでにもおまわりさんが何人か立っていたのですが、さすがに学校が近くなると先生も見守りのために立っています。

「おはようございます」

「はい、おはよう」

ベテランそうな女性の先生に、ミコナとルイネとエンファが挨拶すると、少し厳しそうな印象のその先生も応えてくれて、でも、

「ミコナさん、それは?」

ミコナと一緒にいたフカを見て問い掛けてきました。

「あ、お父さんの発明品で、<かぷせるあにまる>っていいます」

応えたミコナに、

「そうですか。でも、学校にペットロボットは持ち込み禁止ですよ」

きっぱりと。

それに対してミコナも、

「はい、大丈夫です。見送りについてきてくれただけですから。そういうことで、ここまででいいよ。ありがとう」

フカに向かって言いました。

「…学校の門をくぐるまで油断すんじゃねえぞ……!」

不満そうに言いながらも、先生のことはギロリと睨みながらも、おとなしく引き返してくれたのでした。

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