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スポーツの試合のような
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ミコナ達が見守る中で対峙するオウとフカは、お互いにとても真剣でした。少なくとも<ごっこ>には思えません。でも、同時に、なにか殺伐とした印象もなかったのは事実でした。
そう、どちらかといえば、スポーツの試合のような。
ミコナはそれを察していたのかもしれません。
そしてオウは空中高く飛び上がり、本当のタカが獲物を狙うみたいにフカ目掛けて急降下します。
するとフカも、胸ビレと尾ヒレをピンと広げて、口を大きく開けて、そんなオウを迎え討つ構えを見せました。
直後、オウとフカがぶつかった瞬間、カツーンと硬い音が響きます。
そう、オウもフカも動物のような形だけど、その本体はプラスティックに似た、でもプラスティックじゃない不思議な物質で出来ている<カプセル>なのです。ミコナのママの魂を収めておくための。
「!?」
と、ぶつかり合ったオウとフカが、突然、どちらも空中に飛び上がって、屋根を超えて見えなくなってしまいました。
「え?」
「あれ!?」
ルイネとエンファが呆気にとられて声を上げます。でもミコナは、
「あっちだ!」
急に真剣な表情になって、ガーを抱いたまま走りだしました。
「ミコナちゃん!?」
「どうしたんでっか、ミコナはん!」
ウルとティーさんも声を上げてミコナの後を追います。
遅れて、ルイネとエンファも。
家の裏に回ってそこの垣根を超えたミコナが、
「ダメ! やめて、フカ!!」
それまでの彼女からは想像もつかないような強い声で叫びました。
その彼女の視線の先、そこにあったのは、裏の家の窓から出てきた男の人に今まさに噛み付こうとしていたフカの姿だったのです。
「噛んじゃダメ!!」
さらにミコナが強く叫ぶと、フカが体を回転させて、男の人の顔に尻尾のビンタを食らわせました。ミコナの頬をはたいた時のとは全然違う勢いで。
しかもオウも、その男の人の頭を羽ではたいていたのでした。
そう、どちらかといえば、スポーツの試合のような。
ミコナはそれを察していたのかもしれません。
そしてオウは空中高く飛び上がり、本当のタカが獲物を狙うみたいにフカ目掛けて急降下します。
するとフカも、胸ビレと尾ヒレをピンと広げて、口を大きく開けて、そんなオウを迎え討つ構えを見せました。
直後、オウとフカがぶつかった瞬間、カツーンと硬い音が響きます。
そう、オウもフカも動物のような形だけど、その本体はプラスティックに似た、でもプラスティックじゃない不思議な物質で出来ている<カプセル>なのです。ミコナのママの魂を収めておくための。
「!?」
と、ぶつかり合ったオウとフカが、突然、どちらも空中に飛び上がって、屋根を超えて見えなくなってしまいました。
「え?」
「あれ!?」
ルイネとエンファが呆気にとられて声を上げます。でもミコナは、
「あっちだ!」
急に真剣な表情になって、ガーを抱いたまま走りだしました。
「ミコナちゃん!?」
「どうしたんでっか、ミコナはん!」
ウルとティーさんも声を上げてミコナの後を追います。
遅れて、ルイネとエンファも。
家の裏に回ってそこの垣根を超えたミコナが、
「ダメ! やめて、フカ!!」
それまでの彼女からは想像もつかないような強い声で叫びました。
その彼女の視線の先、そこにあったのは、裏の家の窓から出てきた男の人に今まさに噛み付こうとしていたフカの姿だったのです。
「噛んじゃダメ!!」
さらにミコナが強く叫ぶと、フカが体を回転させて、男の人の顔に尻尾のビンタを食らわせました。ミコナの頬をはたいた時のとは全然違う勢いで。
しかもオウも、その男の人の頭を羽ではたいていたのでした。
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