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本当に過激
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そうしてウルやティーさんの話は聞けたミコナでしたが、オウやフカは相変わらず庭をウロウロ。
そうしてやっと戻ってきたと思ったら、
「まあ、危ないものはなさそうだな。だが、セキュリティがザルすぎる。こんなんじゃ賊の侵入は防げんぞ」
オウが難しい顔で言います。
かと思うとフカは、
「ハッ! こいつらみたいなお人好しにそんな頭あるわけねーだろ! 今日からオレがこの家のセキュリティだ! 悪党なんざこの牙でガブリだぜ!」
口を大きく開けて言いました。
なるほど彼の大きな口にはすごく鋭い牙がずらりと並び、光を放っています。こんなので噛み付かれたら泥棒だってひとたまりもないでしょう。
とはいえ、ここ、アニマタウンだけじゃなく、この世界ではそんなに悪い人もいません。たまに泥棒が出るくらいです。フカが活躍するような場面は果たしてあるのかどうか。
だけどミコナは、そんなオウとフカに対しても、やっぱり、
「頼もしいね♡」
笑顔を向けるのです。だけどその上で、
「でも、あんまり乱暴なことしちゃダメだよ。フカのその牙でかじられたらきっと大変なことになっちゃう」
と、釘を差すのも忘れません。
するとオウは、
「ふん…!」
羽を組んでそっぽを向いて、フカは、
「ああん? そんな甘っちょろいこと言ってて自分を守れるか! 悪党なんざこの世から一掃するのが一番だ!」
物騒なことを。本当に過激です。
なのにミコナも負けてません。
「でも、そんなことできるんだったら、とっくの昔にできてるんじゃないかなあ。今までだって強い人も立派な人もたくさんいたはずだよ? なのに今でも泥棒とかいるってことは、そんなに簡単じゃないってことだよね」
「ぐ……!」
フカが言葉をつまらせます。それでもミコナは、
「だけど、誰も悪いことしなくてもいい世の中を作っていきたいよね」
笑顔で迎えるのでした。
そうしてやっと戻ってきたと思ったら、
「まあ、危ないものはなさそうだな。だが、セキュリティがザルすぎる。こんなんじゃ賊の侵入は防げんぞ」
オウが難しい顔で言います。
かと思うとフカは、
「ハッ! こいつらみたいなお人好しにそんな頭あるわけねーだろ! 今日からオレがこの家のセキュリティだ! 悪党なんざこの牙でガブリだぜ!」
口を大きく開けて言いました。
なるほど彼の大きな口にはすごく鋭い牙がずらりと並び、光を放っています。こんなので噛み付かれたら泥棒だってひとたまりもないでしょう。
とはいえ、ここ、アニマタウンだけじゃなく、この世界ではそんなに悪い人もいません。たまに泥棒が出るくらいです。フカが活躍するような場面は果たしてあるのかどうか。
だけどミコナは、そんなオウとフカに対しても、やっぱり、
「頼もしいね♡」
笑顔を向けるのです。だけどその上で、
「でも、あんまり乱暴なことしちゃダメだよ。フカのその牙でかじられたらきっと大変なことになっちゃう」
と、釘を差すのも忘れません。
するとオウは、
「ふん…!」
羽を組んでそっぽを向いて、フカは、
「ああん? そんな甘っちょろいこと言ってて自分を守れるか! 悪党なんざこの世から一掃するのが一番だ!」
物騒なことを。本当に過激です。
なのにミコナも負けてません。
「でも、そんなことできるんだったら、とっくの昔にできてるんじゃないかなあ。今までだって強い人も立派な人もたくさんいたはずだよ? なのに今でも泥棒とかいるってことは、そんなに簡単じゃないってことだよね」
「ぐ……!」
フカが言葉をつまらせます。それでもミコナは、
「だけど、誰も悪いことしなくてもいい世の中を作っていきたいよね」
笑顔で迎えるのでした。
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