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ハカセの発明

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ミコナは、アニマタウンの外れで、<ハカセ>と呼ばれているお父さんと二人で暮らしている10歳の女の子。

彼女のお母さんは、ミコナが今よりもっと幼い頃に病気で亡くなってしまいました。

だからちょっと寂しかったけれど、でも、今日、そのお母さんが帰ってくるのです。

それというのも、ミコナが暮らすこの世界は、亡くなった人の魂が帰ってこられるという不思議な世界。

でも、これまでは人形とかに魂を宿す形だったので、お話をするには、眠って夢の中で会ったり、<鳴呼なるこ>と呼ばれる専門の霊媒師を雇わなければいけませんでした。

そこで発明家だったお父さんが五年の歳月をかけて、帰ってきた魂を収めてお話もできる大発明をしたのです。そして今日がそのお披露目ということでした。

「お父さん。これでママとお話できるの?」

そう問いかけたミコナの前には、テーブルの上に置かれた何個もの透明な<カプセル>。

「そうだよ。このカプセルの中に亡くなった人の魂が入ると、その魂が持つ特徴に合った形に変化して、しゃべることもできる……はず」

ミコナのお父さんは<ハカセ>と呼ばれるくらいに大変な発明家だけど、時々失敗もすることで有名な人でした。

「もう、たよりないなあ」

歯切れの悪いハカセに、ミコナは苦笑い。でも、そんなお父さんのこともミコナは大好き。だって、ミコナのためにそのカプセルを作ってくれたのですから。

そうしていよいよ、カプセルのスイッチになっているリモコンのボタンを押します。

すると、並んだカプセルの中の五つが、とてもあたたかい光に包まれました。

「わあ♡」

ミコナは笑顔で声を上げましたが、ハカセの方は、

「あれ…おかしいな……」

少し慌てた様子。だけどもう遅い。ミコナとハカセの見てる前で、五つのカプセルが<変化>していきます。

タカ、トラ、オオカミ、サメ、そして……

「え? トカゲ……?」

思わずそう漏らしたミコナに、

「トカゲやない! ワイはT-REX! ティラノサウルスや!」

と、そのトカゲみたいなカプセルが言い返したのでした。

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