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嘘に

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「《始皇槍》!!」

武器の名前を呼ぶと自動で秦の手元へと飛んで行く。

「《アロンダイト》!《ガラティーン》!《エクスカリバー》ぁあ!!!」

更に3本の神話級の武器の名前を呼ぶと駆け出した秦を追従する。
サブカルチャーにも多少強い秦は始めこの戦い方をファン◯ル戦法などと呼んでいたが部下に止められ仕方なく

「【戦従神剣】!!」

槍で神速の突きを放つ。

ガン!!!!

しかし並の上級貴族さえも上回っている秦の渾身の一撃をその皮膚で受け止め金属が鳴る。

「お前……!」

突きの体勢からすぐさま居合のような体勢になり無造作に振り抜く。

ドゴッ!

人工魔祖悪魔はそれを両手で防ぐと空へと浮かし、名前を呼んだ神剣を大体の生物が潰されると死ぬ心臓と頭部目掛けて操作する。

「あぁぁぁぁあがるながぁぁぁあ!!」

ザクッザクッザクッ

頭部、心臓、左肩にそれぞれささるが動きを阻害する事は出来ない。
しかし秦が魔力の小さな糸を通して操るとその場で回転する。

「ラァがぁぁぁあ?!?!?!」

左肩から先が斬り落とされ、頭部も斬り落とされはしなかったが半分に分かれる。
心臓に刺さった武器だけは回転する事なくその場でギチギチと音を立てて動こうとしている。

(?!やはり頭より心臓が核となるか!)

パチンと軽く指を鳴らすと意思を持った様に秦の背後へと一瞬にして戻る。
頭が逆再生をしているが如く元に戻る。
肩は斬り離された腕がモヤとなって体へと戻り再生をするが唯一神剣が回転出来なかった心臓だけは再生が若干だが遅い。

(罠の可能性もある……だけど頭と心臓を同時に消滅させる魔法は使えない。クソッ!ここに来て前衛に超特化したその皺寄せが……!他のSランクに頼もうにも戦闘しているし、そもそも火力が足りるかどうか!)

「ふっ何をそんなに考えているんだい?早く倒さないと魔力が尽きちゃうよ!」

「うるせぇよ!ど変態クソガキ様がよぉ!!待ってろ!もう直ぐそっちに行くからよ!」

人工魔祖悪魔との戦闘の間にギロリと睨みをきかせこの瞬間で精一杯の罵倒をする。

「ふっ、ふふふふ……その余裕いつまで続くかな!【門】!【開門】!」

少年悪魔貴族がゲートを開く。
その中からもう一体の人工魔祖悪魔が現れる。

「うっそ……!!」

「さぁ!君も混ざって来なぁ!!」

背中に魔力を軽くぶつけると歩き出す。
そして徐々に加速して行きスピードは過去の秦と同等にまで上昇する。

「《ガラティーン》!!」

神剣を名前を呼び2体目の人工魔祖悪魔の足元へと飛ばす。

「らばァァア!?」

右足を出した時と同時に神剣が足に刺さり勢いよく切り裂かれる。
支えを失った人工魔祖悪魔Bは派手に転ぶ。
相手はもう1体いるため気を抜く事なく《アロンダイト》を人工魔祖悪魔Aの首へと滑らせる。

「ゔぁぁあっーーーーーー」

これで終わらず《エクスカリバー》に残存魔力の4分の1を込め、身体能力の上昇に4分の2込めて心臓目掛けて全力で振り抜いた。

ガギッ!!!

最初体に刃が触れた時はするりと通った。
だが体の中心と呼べる所に行き着いた瞬間今まで感じた事のない硬さを感じた。

「《剣軍》!!!」

人工魔祖悪魔Bが動き出した気配を察知して無数の剣が動きを止め時間を稼ぐ。
そのまま更に《剣軍》を重ね掛けで人工魔祖悪魔Aからの反抗を無くすために手足を斬り落とし槍数本で固定する。

「ぎぃぃいぁぁあ!!!!」

秦が自身史上初の咆哮を上げ身体能力に魔力を回し腕に力を込める。

「しねぇぇぇぇえええぉぇえ!!」





パキン

抵抗が一気に無くなり《エクスカリバー》が振り抜かれた。

(やった……!!)

核となる部分を斬られた人工魔祖悪魔Aは膝をつき倒れた。

「……へぇ?」

少年悪魔貴族が小さく笑う。
しかし消耗している秦はそれに気付かない。

(あと一体とクソガキ貴族が1人か、キツいな。だけどまずは人工魔祖悪魔の処理)

「意外とては出さないんだな」

「鑑賞娯楽だもん。楽しまないと!」

和やかな笑顔が秦の間に障るがなんとか無視をして人工魔祖悪魔の元へ向かう。

「心臓というより体の正中線……肺と肺の間!」

眼に回した魔力によってうっすらと核を感じる事が出来た。

「はぁ……ふぅう………」

時間はないが深呼吸をして体勢を整える。

「死ねよ?《死撃》!!!!」

背中に乗り添えられた手を僅かに人工魔祖悪魔の体に沈む。

バキンッッ

のそりと上体を起こす。
そして《剣軍》、《アロンダイト》、《ガラティーン》、《エクスカリバー》を全て回収して秦は背後に備える。

「倒したぜクソガキ貴族様、これでやっとお前との戦闘の訳だ。一応全快はしないが魔力の回復手段はあるんだ」

アイテムボックスからデルガから教わった特性の錠剤を取り出して口に含む。

「……これで多少は魔力が回復したぞ」

「じゃあかかって来なよ?」

「【転線】」

秦の姿が掻き消える。

「消えた?」

「後ろだっ」

その首を胴体と別れさせるため《始皇槍》を振るうが《神杖の王鎧》の効果で防がれてしまう。

「怖いじゃないかぁあ!人間っ!!だけどその努力は美しいとさえ言えるだろう!!」

暴風が吹き荒れ近づけなくなる。

「くっ!逃げるつもりか!!」

「逃げる?馬鹿をいえ。言っただろう?『鑑賞娯楽』だって」

「何をーーーーーー」

その瞬間秦の体に衝撃が走り吹き飛ばされ地面を転がってしまう。

(何がって起こって)

血が流れ視界が赤く染まる。
赤く染まった視界の中で信じたくない物を見つけてしまう。

「人工、魔祖……悪魔!!!」

「だから言っただろう?『鑑賞娯楽』だと。じゃあ蹂躙の時間だ。回復の時間さえ与えないよ」










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