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疑問
しおりを挟む「という訳でダンジョンの中で明らかに人間と同等の言葉を話す悪魔がいた。しかも【エクスプロージョン】の重ね掛けと【擬似 : エクスプロージョン】の二重攻撃でも生きてた」
「悪魔貴族の誰でしょうか?」
「分からない、名乗る前に殺してしまったから。でも
「約束の日まで待っていろ」と命令されていたらしいんだ。アグリードが王族に反旗を翻した貴族の中の1人とは言っていたけど……」
「申し訳ございません。ここ数十年会っていなかったので名前を忘れてしまっていました。
「気にするな」
もの凄くシュンと様子で真に謝る。
そんなアグリードに苦笑いを溢すとデルガを見る。
「アグリードの言葉から悪魔貴族である事に違いは無いんだ。侵攻の戦力を減らせた事を今喜ぼう。魔界の政治事情は分からないから2人に任せる」
「デルガとアグリードの2人は魔界で偉い地位なのね?」
猫娘が手を上げて質問をする。
「えぇ、一応王族に次ぐ地位にいます」
「そんな高かったっけ?下の侯爵だったよな?」
考えながらデルガに質問をするとキョトンとした顔をする。
そして「あっ」と声を出すと直ぐにある事実を伝える。
「主様申し訳ございません!些事な事とはいえ報告するべきでした。昨年主様のレベルが100を超えたあたりで私も長年止まっていた壁を超えて上の公爵となりました」
「どうりで一時期馬鹿みたいに力加減が出来ないと思った。直ぐに落ち着いたけど。そのときか」
「恥ずかしいのであまり言わないで下さい。しかしその時です」
真や猫娘から顔を背け赤くなったをなんとか見せないよう努める。
2分ほどたち顔の火照りも治まったのか再び真と猫娘の2人を見る。
「話を戻しますが私達は魔界でもそれなりの地位の悪魔貴族です。父上や叔父上に頼み少しでも敵方の戦力を減らせるか試して見ます。他にも我が家と懇意にしている貴族がありますので掛け合い主様達の負担を減らせるよう努力します!」
そこそこ豊かな胸を叩き奮起する。
その横でアグリードもデルガほどではないがやる気を見せている。
「敵方の侵攻予定は後1ヶ月ないんだ。レベルの上昇も休養日を含めてもてあと……18日か」
「でも侵攻が更に早まったりしたらどうするの?」
猫娘が大前提とも言うべき疑問をデルガに投げかける。
「そのような心配もあるようだがこちら側で上手く調整をしている。これ以上早くなる事はないが引き伸ばす事は出来ない。主様レベルの方は如何程まで?」
「上級貴族になったくらいかな。だけどスキル、武器や能力値の底上げにアイテムを存分に使っているから最終的な能力値はもっと上だと思うけどな。ただ猫娘がアイテムをふんだんに使った俺もスピードがほぼ違わないのは……しっくり来ない」
「ふふふ~~獣人化は魔力が少なくなる代わりにとして身体能力が高いのね?私は元々魔力が少なかったからデメリットが殆どない!」
背後にバーーン!!と効果音がつきそうなほど胸を張って威張るが
「だからどうした」
真には効果がないように見えた。
よく見ればこめかみがピクピクしているが猫娘は気付かずにいる。
「今更だが気になる事を思い出したんだ」
「「「気になる事?」」」
視線が一斉に集まる
「俺が盾峰さんって分かるよね?その盾峰さんと会った時ゴーレムと戦ったんだ。話をなんとか思い出したんだけどそのゴーレムはダンジョンから一直線で外に向かったらしいんだ」
「それは……匂いますね」
「だろ?今にして思えばその敵対する貴族の仕業だったんじゃないかって。ダンジョン内に盾峰さん達がいたのに無視して来たのは異常すぎる」
4人はそこからどうすればいいか考える。
夜の11時を回った所で真が取り敢えずの案を出した。
「隠密が得意なアスマディアにそこら辺を探らせよう。何か手掛かりが見つかるまではアグリードが響の護衛を頼む」
「「承りました」」
「よし、じゃあ寝よう。明日の朝に俺から響に護衛が変わる事を伝えておくよ」
こうして1日が終わる
目が覚める
響が学校に行く前に昨日の事を伝える。
了承を貰うとアグリードが響の影の中に入りそのまま登校した。
「アスマ」
名前を呼ぶと地面に影が広がり中からアスマディアがぬるりと出てくる。
真を主とは認めていないがデルガが見張っていたため膝を突き一応忠誠のポーズを取る。
「昨日俺が寝る前に伝えた話は覚えてるな?」
「勿論だ」
「今から頼む。これが上手く行けば侵攻の勢力を削減出来るかもしれないからな。
悪いけどそこそこ頑張って調べてくれ」
「例の美味いやつを沢山食わせろ」
「ドーナツなおっけーー」
少し涎を口から垂らさせながら再度アスマディアは影の中に潜っていった。
「主様、何故アイツにあのような粗暴な言葉遣いを許したのですか。私は許せません」
「私も同感だよゴレマス?って人の知り合いとはいえ些か度がすぎると思うよ」
2人が真に対して抗議するが真は取り合わない。
「一応アスマには戦友というか好敵手として期待してるんだ。ライバルの片方が敬語を使ってるのはなんか気持ち悪いだろ」
「私には、分かりません」
「デルガさんに賛成かな」
「えぇ……」
デルガと猫娘の2人から不満を聞き流し玄関のドアを閉めてて鍵をかける。
「取り敢えず今日は魔界に行くぞ。あわよくば敵対する悪魔貴族を見つけて殺す、その予定で。猫娘、準備は出来てるか?」
「動き易い格好は常日頃からしてるから大丈夫。いつでもいけるよ。あ、寒い所にゲートを開かないでね?」
「開いたとしても《ピアス》を渡しただろうが!」
「あっそうだったね」
「全く……デルガ」
パチパチパチィ
最早名前を呼ぶだけで意思疎通が可能になっているデルガと真。
デルガに「ありがとう」というと愛用の短剣である『紫紺の短剣』を手に持ち中に入る。
その真を追うように猫娘、デルガもゲートの中に入っていった。
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