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ストレスと不服

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吹雪くダンジョンの中を身体強化で疾走する。
猫娘がついてこれるよう多少スピードを落とす真はすれ違い様にモンスターに短剣で斬り付け【時限式 : エクスプロージョン】で爆殺する。
経験値になりアイテムを落とすがそれを払うマネージャー役としてアグリードが2人の後ろで走る。

この雪国型のダンジョンに潜り始めて2時間が経過し確認できる限りの雑魚モンスターは全て排除する事に成功した。

「残りはボスだけの筈だけど一体何処にいるんだ?魔力探知をやっても見つからないな。隠密に特化したタイプのモンスターか?」

「中国でもそういう面倒くさい奴何回か相手してたから正直億劫ね。ていうかさ、遠くに城……見えてるんだけど。明らかにあそこにボスがいる」

「やっぱりそう思った?だけどボスらしい魔力を感じないんだよ。なんていうか……残りカスみたいなやつは反応してるんだけど」

2人は携帯食料を齧ると猫娘が用意した温かいスープを飲み溜息を吐く。
何回か携帯食料を咀嚼していると真は何か思いついた顔をする。

「取り敢えずこれ食べたら城に行こう。そしてさその城を…………」

「ふんふん、本当にやっていいの?……え?!全力でやっていいの?!ハイになるよ!!」

「構わん、やれ」

そこから猫娘は携帯食料を楽しそうに食べスープを飲み干すと立ち上がる。
同タイミングで真も食事を終えてゴミやスープが入っていたコップを片付ける。

「遊びに行こうか」

「ストレスの発散にいいからね」







「【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】」

「全カートリッジ使用、追加カートリッジ使用連結、左腕部武器カートリッジ追加………よし」

使い捨ての機械剣にひたすら【エクスプロージョン】の魔力を込めて行く。
本体がギシギシギシッと明らかに壊れそうな音が出ているのを無理矢理魔力で抑え付け形を保っている。

猫娘は片手で扱う巨大な武器を2つ用意しそれぞれに5個でワンセットのSランクモンスターの魔石を10個に増やして両方にセットした。
猫娘が使用する武器は魔石の魔力を使い本人の魔力を使わなくても【エクスプロージョン】を再現するものだ。
それを2つ10×2のSランク魔石を使うと六重に込めた真の【エクスプロージョン】に迫る威力になる。

「じゃあ対角線上にいないように撃とう。すぐに移動だこれ以上は武器が保たない。アグリード離れた猫娘に声届けてくれ」

「お任せを」

「じゃあ配置に着くねーー。アグリードさん頼りにするよーーー」

馬鹿でかい武器を2つ持ち吹雪の中を疾走する猫娘にスピードの衰えは無かった。

(スピード落ちないのは武器に軽量化でも施されてるのか?いいな戦斧に付与出来るかデルガに聞こう!)

猫娘が準備に着いたのかアグリードが脳内に話しかけてくる。

『主様準備が出来ました』

「了解じゃあ5カウントでいくから3から猫娘に伝えてくれ」

『はっ』

【エクスプロージョン】を放つ構えをするとアグリードに伝える。

「5……4……3……2……1……0!!!!!」

『……………3……2……1……0!!」

ドガァァアァァアァァァアン‼︎‼︎

機械剣が振るわれ悪魔貴族をも殺す事が出来る爆炎が城に放たれた。
猫娘はアグリードからラグなしで伝えられたタイミングに従い左右の武器のトリガーを引く。
Sランク魔石を合計20個全部使った【擬似 : エクスプロージョン】は本家にも劣らぬ爆炎を起こし城全体を包み込んだ。

「おっっっしゃあぁあぁぁあ!!!今日みたいな時しか出来ないけど爽快感バツグンだな!」

粉々になった機械剣をアイテムボックスに仕舞うと槍剣を取り出し備える。

「くぅう~~~!!初めてだよこんなに本気の一撃放ったの……快感だね」

魔石の魔力が全て空になった武器を仕舞いパイルバンカーの武器を取り出す。
カートリッジをセットしもしボスが生きていた時のために備える。

2種類の【エクスプロージョン】を受けた城は見るも無残な姿に変わる。
土台すらボロボロという言葉すら生温いほど原型を留めていなかった。

そんな瓦礫の山がほんの少し動いたかと思うと中からモンスターと思しき手が生えて瓦礫を退かす。
少しずつ瓦礫を退かし両手が使えるようになると這いずるように出て来た。

「う、ぐぅぅう!一体何が起こった!!約束の日までここでおとなしくしていろと命令され待っていればこの仕打ちぃぃいぃ!巫山戯るなぁあ!」

血塗れになった人間が出て来たと思うとアグリードが即座に真の真横に現れ耳打ちする。

「主様瓦礫の中にいる。あの男は魔界で王族に反旗を翻した者の内の1人です。ここで殺してしまえば侵攻の時に戦力を削れます」

「分かった。だそうだ猫娘、ここで潰すぞ?短期決戦だ!」

「了解!!」

目標の悪魔貴族に向けて2人は走り出す。
右腕を欠損した悪魔貴族は回復魔法で右腕を生やす事に集中しているためこちらに気づいていない。

「「経験値は俺(私)のだぁぁぁぁあ!!!!!」」

「な、何だ貴様らぁぁぁ!!」

槍剣の持ち手の端を持ち少しでも距離を稼ぎ悪魔貴族の首目掛けて最速で突きを放つ。
猫娘は本気のパンチを繰り出すと同時にトリガーを引く。
武器の中から杭が突き出される。

「やめーーーーーー」

ドシュッッ

杭が頭を潰す音と槍剣が首を断ち斬る音が同タイミングで2人の耳に届く。

「「俺(私)か?!」」

Exp : 196382

「はぁ?!この経験値って……」

(デルガがアスマディアを一度殺した時に俺に来た経験値と同等だと?経験値が減ったアスマディアと同等って事は少なくともアスマディアより全然弱いって事だな)

「かなり貰えたけどギリギリレベルは上がらなかったな。あと何匹かAランクモンスター狩れば上がるか?」

「やった!!レベルが上がったね!!!Sランク魔石を20以上消費した甲斐があったよ……嗚呼でも魔力込める地獄が……」

「いっそ俺らになるといっそ狩った方が早くない?」

「それもそうだけどさぁ」

物凄く不服そうな顔をする。
何が不満なのだろうか

「仕事終わったから報告したあと魔界行くぞ!」

「魔石の補充どうしよう」





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