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研究

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週末、魔界

真は先日死にかけたのにも関わらず魔界にレベリングに来ていた。

「空気が悪いなぁ」

「仕方がありません。ここら近辺は魔獣の類が多く死体が散乱していますから」

「消えないもんなぁ」

地球のモンスターは殺したら消えるが魔界にいる魔獣は消えないのだ。
素材としてはかなり有用だが死体の処理に困る分地球でレベルアップした方が楽だった。

「取り敢えずあと80レベル。今の倍のレベルを目指す。1つレベルが上がる毎に要求される経験値も多くなる。加速していくぞ!」

「「はっ!」」

真は手を前に突き出し引き抜いた。
機械的な刀身、持ち手
今まで使ってきた武器とは少し違う物だった。

「前の魔界の時にこんなやつがドロップするとは思わなかったよ。【加速アクセル】」

スピード強化に特化した魔法を自分自身に掛けると軽く地面を蹴る。

パンッ!

乾いた音が鳴るとその場から真が消える。
デルガとアグリードが顔を向けた先にいたモンスター達が8等分、10等分、20、30と細切れになる。
20数体を経験値に変えるがそれでもレベルは1つも上がらない。

「おらぁ!」

背後から飛びかかってきたモンスターを蹴り殺す。
少しでもレベルが上がった事により起こる感覚の乖離を無くすために集中していく。

一閃をすると角度を調整をする

二閃目で体の使い方を微調整

三閃目で力の入れ方を掴む

無駄を省き長く戦えるように整えて行く。
モンスターを屠っていると超大型のモンスターが真目掛けて走って来る。
それに気付くと機械的な武器に付いているトリガーを引く

………ィィィイイイィン

刃の部分だけが緑色に光ると同時にかなり振動していた。
更にもう一つの別トリガーを引くと弾倉が高速回転し唸りを上げる。

真との距離が30を切ると地面をスレスレまで体を低くして剣を振り上げる。

シィィイィィィイィイイ‼︎‼︎

剣の唸りが最高潮になり緑色の光が音速で飛んでいく。
光が超大型のモンスターの体を通過するが止まらず真に向かって走る。

「割れろ!」

掲げた剣を振り下ろしながら叫ぶとモンスターは光の刃が通過した部分から裂けていき真に到達する前に絶命してその勢いを無くす。

その体が地面に沈むと地響きの様な音が辺りに響く。
超大型のモンスターからアイテムをドロップする。
死体が消えない為体を避けてアイテムを取りに行く。

「こんなでかいモンスターを経験値に変えても1レベルも上がらないのか」

「見た目以上にこのモンスターは弱いですからね。強いモンスターは総じて体が小柄な傾向にあります」

駆けつけたデルガの言葉に真は疑問を抱く。

「単純な話です。体を大きくするほど弱くない。ただこれに尽きます」

「シンプルイズベスト」

「そういう事ですね」

真の呟きにアグリードが頷いて返す。

「それにしてもその武器は主様によく馴染んでいるようです」

「早々にスキルとしてゲットしたからステータスも上がって狩りの速度と僅かながら上がった。武器自体の性能もいい。魔石を銃のシリンダーに装填して爆薬代わりにするのには恐れ入った」

「地球にお忍びで行った貴族が相当感激したらしく何点かこっそり持ち帰ったようでそこからこの魔界で銃の研究が行われる様になりました。火薬というものより魔石は魔界にありふれている分研究も早く進みここまで昇華させたのです」

デルガの説明に「うんうん」と首を縦に振り理解を示す。
しかし「ですが」と前置きをする

「モンスターから落ちるなど有り得ないのです。この様な機械を用いた武器が落ちた事例は聞いた事が有りません」

「……嫌な予感がするんだがもしかして当たってたりするのかな?」

苦笑いような顔でデルガとアグリードの2人を見つめると見つめ返された。

「恐らく主様の考えてる事は正しいでしょう。私達と敵対する悪魔貴族が何かしらこの系統のモンスターで実験をしていたと考えられます」

「嫌だねぇ」

ドロップしたアイテムを拾い終えると死体に剣を突き刺しトリガーを3回引くと炎が刀身から死体に燃え移った。

「どちらにせよ。響の病気を治してやる余裕が出来るように今は全力でモンスターを狩りまくるだけだ」

持ち手と刀身を分離させると弾倉の中に合う魔石を詰める。
また刀身と持ち手をガチッと合体させるアイテムボックスからもう1本同じ武器を取り出す。

「今の俺の糧になってるから……取り敢えずいい」

さっきと同じ手順で2種類のトリガーを引くと2本の機械剣が唸りを上げ始める。

「今年中に100は行きたい。だけど80になった途端、今まで以上に経験値が必要になったから難しいかな!!」

剣を振り光の刃を飛ばしながら走り出した。





中国

「おい、研究は進んでいるのか?」

かなり偉い階級の人なのか横暴な態度で研究員に問いかける。
しかし事実この人間は偉かった。
その事に納得している研究員は質問にスラスラと答える。

「モンスターの能力をノーリスクとは行きませんがある程度扱える段階までに来ています」

「副作用はどれほどだ?」

「使用したモンスターの特徴が少しだけ体に現れる事でしょうか」

「特徴?」

「手短に説明すると犬なら犬耳、ネコなら猫耳といった感じです。寧ろ聴覚が上昇したら素の身体能力が上がったりしているので一概にデメリットとは言えません」

「ネコ耳……」

「どうしましたか?」

「…………いいな」

「え?」








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