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7話 不慮
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「それじゃ、付いてきて」
僕は言われるがまま、メリーに付いていく。
歩く先は闇。
ぼーっとしていたら、メリーの姿さえ見えなくなってしまうほどに。
この子よく迷わずに歩けるな。
すると、彼女は急に足を止めた。
「迷ったわ」
「えっ?」
何をしているんだ!こんな何も見えない場所で迷ったら、迷宮。寧ろ、冥宮。僕は鳴泣だ。
「冗談よ。緊張してるだろうから、ほぐしてあげようと思ってね」
寧ろ、緊張したわ!
結構、歩いたにも関わらず、一向に着かない目的地にしびれを切らし、僕は質問をした。
「あの、どこに向かっているんですか?」
「あそこよ」
彼女が指を指した方向を見ると、暗闇にも関わらず、しっかりと見える扉があった。
目の前まで行き、メリーがドアノブに手をかけた。
この先に何が待つのだろう。
僕の心は不安でいっぱいだった。
そんな僕の気持ちはお構い無しに、メリーは扉を開けた。
「さあ、入って」
言われるがまま、部屋に入り、僕が入ったのを確認したメリーは扉を閉めた。
目に映った光景は、テーブルに座り雑談をしている女の子達や、新聞を読んでいるサラリーマン、おままごとか何かをしている幼い子。
軽く見ても、100人近くの人達が、各々のしたいことをしていた。
「あの。この人達は?」
「この人達は、さっき説明した2Dの不慮側の人間よ。正しくは、魂だけどね」
不慮側の人間。
ということは、望んでもいないのに死ぬことになった人達。
「こんなにいるんですね」
「そうね。これでも、ずいぶん減ってしまったけどね」
そういったメリーは悲しそうな表情をしていた。
「減ったというのは?」
「ここにいる魂は最初生きること、生き返ることを望んだ魂なの。でも、条件がなかなか達成されなくて、死を選んだ魂もたくさんいるのよ」
そう言ったメリーはさっきよりも更に悲しそうな、苦しそうな表情をしていた。
僕は言われるがまま、メリーに付いていく。
歩く先は闇。
ぼーっとしていたら、メリーの姿さえ見えなくなってしまうほどに。
この子よく迷わずに歩けるな。
すると、彼女は急に足を止めた。
「迷ったわ」
「えっ?」
何をしているんだ!こんな何も見えない場所で迷ったら、迷宮。寧ろ、冥宮。僕は鳴泣だ。
「冗談よ。緊張してるだろうから、ほぐしてあげようと思ってね」
寧ろ、緊張したわ!
結構、歩いたにも関わらず、一向に着かない目的地にしびれを切らし、僕は質問をした。
「あの、どこに向かっているんですか?」
「あそこよ」
彼女が指を指した方向を見ると、暗闇にも関わらず、しっかりと見える扉があった。
目の前まで行き、メリーがドアノブに手をかけた。
この先に何が待つのだろう。
僕の心は不安でいっぱいだった。
そんな僕の気持ちはお構い無しに、メリーは扉を開けた。
「さあ、入って」
言われるがまま、部屋に入り、僕が入ったのを確認したメリーは扉を閉めた。
目に映った光景は、テーブルに座り雑談をしている女の子達や、新聞を読んでいるサラリーマン、おままごとか何かをしている幼い子。
軽く見ても、100人近くの人達が、各々のしたいことをしていた。
「あの。この人達は?」
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ということは、望んでもいないのに死ぬことになった人達。
「こんなにいるんですね」
「そうね。これでも、ずいぶん減ってしまったけどね」
そういったメリーは悲しそうな表情をしていた。
「減ったというのは?」
「ここにいる魂は最初生きること、生き返ることを望んだ魂なの。でも、条件がなかなか達成されなくて、死を選んだ魂もたくさんいるのよ」
そう言ったメリーはさっきよりも更に悲しそうな、苦しそうな表情をしていた。
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