37 / 52
第三十六話 掃除婦の矜恃
しおりを挟む
リエーフさんの話では、賢者は王宮に招かれ、そこに滞在しているという。そんなわけで、私たちは今、城を目指して馬車に乗っているのだけど。
「あの! なんで私たち……屋根に乗っているんですか!?」
風に煽られながら、その風に負けないように私は叫んだ。もっと早く聞きたかったけれど、振り落とされないよう必死だったのである。
「馬車が満員だったからですが」
きょとんとして答えるリエーフさんは、なんでもないように屋根の上に正座している。そのままお茶でも飲めそうなくらいの余裕がある。何故だ。
「わたくしたちの姿は誰にも見えていませんから、どこに乗っていようと咎められはしませんよ」
「それにしては、偶に視線を感じるんだが」
「感度の良い人は気配を感じることもあるでしょう。でもその程度です。わたくしたちはこちらの方々に干渉することはできません。ま、幽霊みたいなものです」
どこに乗ってもいいなら、安定した場所に乗ってもいいと思う。
それにしても……干渉できないと断言するということは、リエーフさんは干渉しようとしたのだろうか。
伯爵は私たちが見えていたし、気配を感じているレベルを超えていたと思う。
それでも、あの悲劇は避けられなかったのか。それとも、避けたところで、元の世界には干渉できないということか。
いやダメだ。この態勢では落ち着いて考えられない!!!
必死の形相をして捕まっていると、近くで溜息が聞こえた。
「ほら、手を貸してやる」
ミハイルさんが手を差し伸べてくれる。その気持ちはありがたい、ありがたいけれど。
「いいですいらないです!」
「何故」
若干苛立ちのこもった声が返ってくる。いや、だって。
非常事態だったとはいえ。昨夜のことを思い出すと顔が爆発しそうになる。だから思い出さないようにしてるのに、触れたら思い出しちゃうじゃないか。顔も直視できないし、声聞くだけでも心臓に悪い。
あんなのリエーフさんにバレたら、なんて言ってからかわれるか……、いや、待て、もしかしてもうバレてるのでは……?
恐々リエーフさんのことを見ると、それはもう「ニッコー!!」って感じの笑顔でこちらを見ている。
ていうかだ。やたらと良いタイミングで声をかけられたけど、いつからリエーフさんは側にいたんだ? 何かすごく嫌な予感がする。
「どうしました、ミオさん。わたくし見ておりませんよ、昨夜一晩じゅ」
「ぎゃああああ!!!!」
リエーフさんの言葉を掻き消すために声の限りに叫んで、真っ赤になりそうな顔を隠そうとしたのがいけなかった。
ついでにバランスを崩しかけた私の手を、ミハイルさんがすんでのところで掴む。
「離して下さい! もういっそ落ちたい!!」
半ばヤケクソで叫ぶ私を見て、再びミハイルさんが溜息をつく。それからリエーフさんを振り返った。
「リエーフ……」
「おお、怖い。冗談、冗談です」
どんな形相をしていたのか知らないが、リエーフさんが両手を上げて弁解する。
そして、リエーフさんも私の手を取り、馬車の上に引き上げてくれた。ようやく少し落ち着いて、私は咳払いすると有耶無耶になっていたことを確認するために声を上げた。
「それより、リエーフさんが死者でないというのは……?」
問うと、二人の視線が私を見た。二人ともわかってるみたいな様子だった割には、中々返事は貰えず、ややあってリエーフさんが「うーん」と口元に指をあてる。
「どういうことかはわたくしにもわからないのですが。少なくともわたくしは『幽霊』の定義からは外れまくっている気がするのですよ」
「歴代当主も気が付いていたと思うぞ。お前は俺の力では縛れない。そもそも実体がある」
リエーフさんが「特別」ということは知っていた。指輪をする前から見えたし話もできたし。
だけどだからといって、普通の人間とも思えない。何百年も前の人なわけだし、第一。
「普通でないのは最初からわかってます。でも、リエーフさんはさっき……」
「ええ。わたくしは一度、自ら命を絶ちました。ですが気が付いたら焼け落ちた屋敷で、坊ちゃん――、さきほどお二人もご覧になられた、病気で亡くなったはずの坊ちゃんを抱えていたのです。そしてそれから、死ねない体になりました」
首元を押さえて、リエーフさんが自嘲的に呟く。
「かといって、老いもなく、痛みもないわたくしと、幽霊たちと、さほどの違いはないと……自らの犯した罪から目を背け、ただお屋敷と旦那様の忘れ形見を守ることに執心することでわたくしは自分が何かすら見失ってきたのです……ねえ、ミオさん」
名を呼ばれて、私はリエーフさんを見上げた。今まで見たことのない、泣き出しそうな、弱々しい表情をして、彼は形の良い唇を震わせた。
「貴女は本当は何者なのです? 本当のことを教えて下さい」
縋るような問いかけに、だけどリエーフさんが期待しているような答えなんか多分持ち合わせていない。
「本当のことを……と言われても、お話した通りです。違う世界から来たというだけで、他に特別なことは何もない、掃除が好きなだけの普通の人間です」
「ですが貴女は聡すぎる。洞察力に優れていて思慮深く、忍耐強い。元の世界では、さぞ名のあるお方なのでは?」
あまりにも壮大な買いかぶりをされたもので。思わず私は吹き出してしまった。急に笑い出した私を二人が怪訝に思っているのは伝わってきたが、これが笑わずにいられようか。
「いえ、今までの人生でそんなに褒められたことがないから、驚いてしまって。私は普通の人より出来が悪いくらいですよ」
「信じられません」
「リエーフさん、お掃除とはですね」
この期に及んで掃除の話を始める私に、二人の目が怪訝なそれから点になる。だけど構わず私は続けた。
「ただ汚れを落とすにしても、その汚れがなんなのか……、油汚れか皮脂なのかカビなのか、そしてそれがどの程度の付着をしているのか。まずはそれらを観察し、どんな洗剤を使ってどんな手法で落とすのかを考えなければ綺麗にできません。だからいつも考えていただけです。自分の置かれた状況、自分がどうしたいのか、何ができるのか。それだけですよ」
途端、ミハイルさんが弾かれたように笑い出した。
「ハハッ! 聞いたか、リエーフ。お前は単なる一人の掃除馬鹿に心を乱され、挙句当家はこの騒ぎだ!!」
「そんな言い方……」
こうなったのはまるで私のせいみたいじゃないか。
いや……私のせいなのかな。
私が色々なことに首を突っ込まなければ。リエーフさんにあんなことを聞かなければ、こんなことにならなかったのかもしれないし……。
じわじわと罪悪感が沸いてきたけれど、でも、笑うミハイルさんがあまりにも楽しそうなので、それも忘れて見とれてしまった。
「お前は本当に大した掃除馬鹿だな。おかげで当家も綺麗になりそうだ」
「そう……ですか?」
褒められているのか貶されているのかわからないけど、ミハイルさんが楽しそうだからいいのかな。
リエーフさんも納得してくれたのか、私たちを見ながら小さく笑った。でもその表情から憂いは抜けきらなくて、笑いを収めると意を決したようにミハイルさんに向かって語り掛ける。
「ミハイル様。もしも賢者に会うことで、お屋敷が永き業から解き放たれて、私が不死でなくなったとしたら……そのときにはどうか、貴方の手でわたくしを終わらせて下さい」
「馬鹿を言うな。お前はそうやって自分の命を軽んじるから不死になどなるんだ」
おそらく一大決心で告げたであろうリエーフさんの言葉を、ミハイルさんはあっさりと切り捨てた。ポカンとするリエーフさんをよそに、馬車がガタンと停止する。
「着いたようだな。行くぞリエーフ」
「……はい。ご主人様」
それ以上二人は何も言葉を交わさなかったけれど。
今更要らないのだろう。
ミハイルさんが淡々とした言葉の裏でリエーフさんを必要としていることも。リエーフさんがそれに救われたことも。
見ていた私にもわかったから。私はほころぶ顔をそのままに、二人の後を追うのだった。
「あの! なんで私たち……屋根に乗っているんですか!?」
風に煽られながら、その風に負けないように私は叫んだ。もっと早く聞きたかったけれど、振り落とされないよう必死だったのである。
「馬車が満員だったからですが」
きょとんとして答えるリエーフさんは、なんでもないように屋根の上に正座している。そのままお茶でも飲めそうなくらいの余裕がある。何故だ。
「わたくしたちの姿は誰にも見えていませんから、どこに乗っていようと咎められはしませんよ」
「それにしては、偶に視線を感じるんだが」
「感度の良い人は気配を感じることもあるでしょう。でもその程度です。わたくしたちはこちらの方々に干渉することはできません。ま、幽霊みたいなものです」
どこに乗ってもいいなら、安定した場所に乗ってもいいと思う。
それにしても……干渉できないと断言するということは、リエーフさんは干渉しようとしたのだろうか。
伯爵は私たちが見えていたし、気配を感じているレベルを超えていたと思う。
それでも、あの悲劇は避けられなかったのか。それとも、避けたところで、元の世界には干渉できないということか。
いやダメだ。この態勢では落ち着いて考えられない!!!
必死の形相をして捕まっていると、近くで溜息が聞こえた。
「ほら、手を貸してやる」
ミハイルさんが手を差し伸べてくれる。その気持ちはありがたい、ありがたいけれど。
「いいですいらないです!」
「何故」
若干苛立ちのこもった声が返ってくる。いや、だって。
非常事態だったとはいえ。昨夜のことを思い出すと顔が爆発しそうになる。だから思い出さないようにしてるのに、触れたら思い出しちゃうじゃないか。顔も直視できないし、声聞くだけでも心臓に悪い。
あんなのリエーフさんにバレたら、なんて言ってからかわれるか……、いや、待て、もしかしてもうバレてるのでは……?
恐々リエーフさんのことを見ると、それはもう「ニッコー!!」って感じの笑顔でこちらを見ている。
ていうかだ。やたらと良いタイミングで声をかけられたけど、いつからリエーフさんは側にいたんだ? 何かすごく嫌な予感がする。
「どうしました、ミオさん。わたくし見ておりませんよ、昨夜一晩じゅ」
「ぎゃああああ!!!!」
リエーフさんの言葉を掻き消すために声の限りに叫んで、真っ赤になりそうな顔を隠そうとしたのがいけなかった。
ついでにバランスを崩しかけた私の手を、ミハイルさんがすんでのところで掴む。
「離して下さい! もういっそ落ちたい!!」
半ばヤケクソで叫ぶ私を見て、再びミハイルさんが溜息をつく。それからリエーフさんを振り返った。
「リエーフ……」
「おお、怖い。冗談、冗談です」
どんな形相をしていたのか知らないが、リエーフさんが両手を上げて弁解する。
そして、リエーフさんも私の手を取り、馬車の上に引き上げてくれた。ようやく少し落ち着いて、私は咳払いすると有耶無耶になっていたことを確認するために声を上げた。
「それより、リエーフさんが死者でないというのは……?」
問うと、二人の視線が私を見た。二人ともわかってるみたいな様子だった割には、中々返事は貰えず、ややあってリエーフさんが「うーん」と口元に指をあてる。
「どういうことかはわたくしにもわからないのですが。少なくともわたくしは『幽霊』の定義からは外れまくっている気がするのですよ」
「歴代当主も気が付いていたと思うぞ。お前は俺の力では縛れない。そもそも実体がある」
リエーフさんが「特別」ということは知っていた。指輪をする前から見えたし話もできたし。
だけどだからといって、普通の人間とも思えない。何百年も前の人なわけだし、第一。
「普通でないのは最初からわかってます。でも、リエーフさんはさっき……」
「ええ。わたくしは一度、自ら命を絶ちました。ですが気が付いたら焼け落ちた屋敷で、坊ちゃん――、さきほどお二人もご覧になられた、病気で亡くなったはずの坊ちゃんを抱えていたのです。そしてそれから、死ねない体になりました」
首元を押さえて、リエーフさんが自嘲的に呟く。
「かといって、老いもなく、痛みもないわたくしと、幽霊たちと、さほどの違いはないと……自らの犯した罪から目を背け、ただお屋敷と旦那様の忘れ形見を守ることに執心することでわたくしは自分が何かすら見失ってきたのです……ねえ、ミオさん」
名を呼ばれて、私はリエーフさんを見上げた。今まで見たことのない、泣き出しそうな、弱々しい表情をして、彼は形の良い唇を震わせた。
「貴女は本当は何者なのです? 本当のことを教えて下さい」
縋るような問いかけに、だけどリエーフさんが期待しているような答えなんか多分持ち合わせていない。
「本当のことを……と言われても、お話した通りです。違う世界から来たというだけで、他に特別なことは何もない、掃除が好きなだけの普通の人間です」
「ですが貴女は聡すぎる。洞察力に優れていて思慮深く、忍耐強い。元の世界では、さぞ名のあるお方なのでは?」
あまりにも壮大な買いかぶりをされたもので。思わず私は吹き出してしまった。急に笑い出した私を二人が怪訝に思っているのは伝わってきたが、これが笑わずにいられようか。
「いえ、今までの人生でそんなに褒められたことがないから、驚いてしまって。私は普通の人より出来が悪いくらいですよ」
「信じられません」
「リエーフさん、お掃除とはですね」
この期に及んで掃除の話を始める私に、二人の目が怪訝なそれから点になる。だけど構わず私は続けた。
「ただ汚れを落とすにしても、その汚れがなんなのか……、油汚れか皮脂なのかカビなのか、そしてそれがどの程度の付着をしているのか。まずはそれらを観察し、どんな洗剤を使ってどんな手法で落とすのかを考えなければ綺麗にできません。だからいつも考えていただけです。自分の置かれた状況、自分がどうしたいのか、何ができるのか。それだけですよ」
途端、ミハイルさんが弾かれたように笑い出した。
「ハハッ! 聞いたか、リエーフ。お前は単なる一人の掃除馬鹿に心を乱され、挙句当家はこの騒ぎだ!!」
「そんな言い方……」
こうなったのはまるで私のせいみたいじゃないか。
いや……私のせいなのかな。
私が色々なことに首を突っ込まなければ。リエーフさんにあんなことを聞かなければ、こんなことにならなかったのかもしれないし……。
じわじわと罪悪感が沸いてきたけれど、でも、笑うミハイルさんがあまりにも楽しそうなので、それも忘れて見とれてしまった。
「お前は本当に大した掃除馬鹿だな。おかげで当家も綺麗になりそうだ」
「そう……ですか?」
褒められているのか貶されているのかわからないけど、ミハイルさんが楽しそうだからいいのかな。
リエーフさんも納得してくれたのか、私たちを見ながら小さく笑った。でもその表情から憂いは抜けきらなくて、笑いを収めると意を決したようにミハイルさんに向かって語り掛ける。
「ミハイル様。もしも賢者に会うことで、お屋敷が永き業から解き放たれて、私が不死でなくなったとしたら……そのときにはどうか、貴方の手でわたくしを終わらせて下さい」
「馬鹿を言うな。お前はそうやって自分の命を軽んじるから不死になどなるんだ」
おそらく一大決心で告げたであろうリエーフさんの言葉を、ミハイルさんはあっさりと切り捨てた。ポカンとするリエーフさんをよそに、馬車がガタンと停止する。
「着いたようだな。行くぞリエーフ」
「……はい。ご主人様」
それ以上二人は何も言葉を交わさなかったけれど。
今更要らないのだろう。
ミハイルさんが淡々とした言葉の裏でリエーフさんを必要としていることも。リエーフさんがそれに救われたことも。
見ていた私にもわかったから。私はほころぶ顔をそのままに、二人の後を追うのだった。
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
幽霊じゃありません!足だってありますから‼
かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。
断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど
※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ
※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。
異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる