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第二十二話 扉が開くとき
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その夜、私は久々お湯につかって、蕩けるような心地よい眠りについていた。
あれからひたすら浴槽を磨き、壁を磨き、ピッカピカの素敵な浴室!
……とまではさすがに無理だったものの、どうにか湯につかれるくらいにはお掃除できたので(私としてはまだまだ不満だったのだけど、ミハイルさんもリエーフさんもこれで充分、と言うくらいには綺麗になった)、それからリエーフさんがお湯を用意してくれて、念願のお風呂に入れたわけである。
さすがに半日以上中腰になって体はバキバキだったけれど、労働の後の心地良い疲れを、温かいお湯が癒してくれる。そしてベッドイン。すかさず襲ってくる睡魔。それに逆らう理由もなく、朝までグッスリ……
のはず、だったのだけど。
スコーン!
と頭に軽い――しかし眠りを覚ますには十分な――衝撃を感じて、無理やり眠りの世界から引き上げられる。
「な、なに!?」
いま、確かに何かが額にぶつかった。暗闇の中、手探りで辺りをさぐると、何かチクチクしたものに触れる。この感触、昼間嫌というほど触れていたのでわかる。
「タワシ……?」
「ご、ごめんなさい。でもさっきからずっと声を掛けてたのに起きないんだもの」
突然すぐそばでした声に、驚いて悲鳴を上げそうになった。でもその声に聞き覚えがあるのにすぐに気が付く。
「ライサ? びっくりさせないでよ。どうしたの、こんな夜中に」
自分で言っていてなんだかおかしい。ライサは正真正銘幽霊なわけで、びっくりして然るべきだし、夜中にいてなんらおかしくない。むしろ、いつも真昼間からうろうろしているここの幽霊たちの方が特殊だろう。
なんてどうでもいいことを考えている場合ではなかった。
「あなた、扉のこと知りたがってたでしょ」
ライサの思わぬ言葉に、ベッドから飛び起きる。
「どうしてそれを?」
「幽霊除けをかけられても声は聞こえるわよ。……知りたいなら一緒に来て」
「……今?」
「今でなきゃダメなの」
「待って、着替えるから」
「そんな暇ないわよ。急いで」
寝巻きを脱ごうとしたら、ライサが焦れたような声を残して扉の外に消えてしまった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
仕方なく着替えを諦め、月明かりを頼りに火打石でろうそくに火を点ける。着替えは諦められても、灯りがなければ歩けない。ライサが苛々した様子で「遅い」と呟く。
「こっちよ、着いてきて」
「待って……、どこに行くの」
すいすいと宙を進んでいくライサを見失わないよう、小走りについて行く。どこに行くのか、何があるのか説明して欲しかったけど、ライサも急いでいるようだった。そんな彼女がどこに向かっているのか察しがついたのは、階段を下り始めてからだ。
――扉に向かっているんだ。
きゅっと心臓が引き締まる。
決して近づいてはいけないと言われている、開かずの扉。その理由を私は知らないけれど、楽しいものではないだろう。できれば心の準備をしたいのだけど、前を進むライサはその頼みを聞いてはくれなそうだ。
しかし、階段を下りている途中で、突然ライサは動きを止めた。
「やっぱり結界が掛かってるか……、ミオ、あたしはここからは進めないみたい。あとは一人で行って」
「一人でって……、この先にあるのは開かずの扉よね? 私一人で行って何をすればいいの?」
「今夜、ミハイルが扉を開くわ」
――え?
思ってもいなかったライサの言葉に、私は返す言葉が見つからず、きょとんとしてしまった。
「ボーッとしている場合じゃないわよ。ミオは扉の中に行きたかったんじゃないの?」
「そう、だけど……、でも扉の中に何があるのか私は知らないし。私が思っているようなものと違うかもしれないし……」
「だから、それを確認したいんでしょ? ミハイルが教えてくれないなら自分で見に行くしかないじゃないの」
私に人差し指をつきつけて、当然のようにライサが告げる。……そうか。ミハイルさんから聞き出すことばかり考えていたけれど、知りたいものを知るためには自分で動かなきゃ。
一人で、この先に進むのは怖いけど……
「ライサは知っているの? 扉の先に何があるのか」
「知ってたらこんなまどろっこしいことしないわよ。幽霊は誰も扉には近づけない。それに、ミハイルが扉を開くのは多分初めてのはずよ。あたしが忘れていなければの話だけれど」
なら、どうしてミハイルさんは、今夜扉を開くことにしたのだろう。
ライサを残し、階段を踏み外さないように注意しながら考える。
本当はミハイルさんも扉の中に何があるのか知らなくて、私が知りたがっていたから開けてくれた、とか? いやいや、それはさすがに自分に都合よく考えすぎか。さすがに、彼にそこまでする義理はないだろう。
それよりも、リエーフさんにも扉に近づくなって言われてたのに、こんなところまで来たのがバレたら怒られてしまうかな。叱責だけで済めばいいけど、クビだと言われたらどうしよう。
けど、せっかくライサが教えてくれたんだし、ミハイルさんですら初めて開く扉が次にまた開く保証もないし。
意を決して足を踏み出す。
階段は永遠に続いているのではというほど長く、先には何も見えない。暗闇に飲み込まれていくような気分で、心細いし少し怖い。だけど不意にその暗闇に、針で穴を開けたような小さな光が生まれる。そしてそれは瞬く間に洪水のようにこちらまで押し寄せて、私の持つ頼りない灯りを塗りつぶす。
「な、何……?」
一瞬目が眩んで動けなくなったが、徐々に目が慣れ始め、私は再びゆっくりと階段を降り始めた。
暗闇でよく見えなかった足元が今度は眩しさで覚束ない。けれどその光もすぐに引いて行って、また辺りは暗闇に包まれた。
目がチカチカして気持ち悪い。けれどその目が慣れてきたころ、階段の終わりが見える。そしてその先に、倒れているミハイルさんの姿が見えた。
「ミハイルさん!?」
駆け寄り、叱責覚悟で呼びかける。でもミハイルさんは返事をしなかった。気を失ってる。体を揺すろうとして、穏やかな声にそれを止められた。
「少し力を使いすぎて、眠っているだけですよ」
――リエーフさん。
ばっと振り返ると、声から思い描いた通りの人物が私を見下ろしていた。
「力って……、扉を開けたことですか?」
「おやおや。誰から聞いたのでしょう。それに、ここに来てはいけないと言ってあったはずなんですがねぇ」
困ったようなセリフとは裏腹に、リエーフさんの顔は全く困ってはいなかった。むしろ私がここにくることを確信していたようにも思える。この様子では、誰から聞いたかまで見透かしている気がした。
「……朝、言いましたよね。負の感情に囚われた幽霊は気が狂ってしまうのだと。この扉はね……、そうして狂ってしまった幽霊たちの監獄なのですよ」
改めて扉を見る。蝋燭の灯りだけでははっきりと見えないけれど、古くて大きくて重そうな扉だということは、この頼りない光でもわかる。
「当家当主は幽霊を統べる力を受け継ぐ。統べるということは仲良くすることではないんですよ。勿論それも必要ですが、時としてその逆も必要となる」
「……ミハイルさんは今、朝私が見た苦しそうな幽霊を、この扉の向こうに封じたということですか?」
「ええ」
それが、どのくらい力を使うことなのか私には知る由もない。また、力を使いすぎたらどうなるのかもわからない。息はしているようだけど、ピクリともしないミハイルさんを見下ろして、私は眉をひそめた。
「少し休めば回復すると思いますが、差し支えなければ看護をお願いできますか? 部屋にはわたくしがお運びしますので」
「……それも仕事なら」
「つれない返事ですね。でも、お願いします。……わたくしが傍にいても安らげないでしょうからね」
小さく付け加えられた言葉は、少し切なそうな色があった。ずっと一緒にいるリエーフさんでもダメなのに、私ならいいということはないだろう。それでもリエーフさんじゃダメなのは、彼が幽霊だから、なのだろうか?
それだけでは、ないような気もする。
「貴方には感謝していますよ、ミオさん。貴方が屋敷に来てから、ミハイル様は今までどんなに言っても拒否してきた当主の責務を果たし始めた」
ミハイルさんの体を軽々と抱え上げ、リエーフさんが薄く微笑む。
いつもの穏やかな笑みとは少し質の違う、仄暗い笑み。
もしかしたら私は、リエーフさんに利用されているのかもしれない。彼の笑みを見ながら、そんな考えが頭に浮かんできた。けれど今はミハイルさんを休ませるのが先だし、ここでそれを追求したところでどうしようもない。
灯りの届かない暗闇を、リエーフさんは迷うことなく足早に進んで行く。慌てて私もその後を追った。
あれからひたすら浴槽を磨き、壁を磨き、ピッカピカの素敵な浴室!
……とまではさすがに無理だったものの、どうにか湯につかれるくらいにはお掃除できたので(私としてはまだまだ不満だったのだけど、ミハイルさんもリエーフさんもこれで充分、と言うくらいには綺麗になった)、それからリエーフさんがお湯を用意してくれて、念願のお風呂に入れたわけである。
さすがに半日以上中腰になって体はバキバキだったけれど、労働の後の心地良い疲れを、温かいお湯が癒してくれる。そしてベッドイン。すかさず襲ってくる睡魔。それに逆らう理由もなく、朝までグッスリ……
のはず、だったのだけど。
スコーン!
と頭に軽い――しかし眠りを覚ますには十分な――衝撃を感じて、無理やり眠りの世界から引き上げられる。
「な、なに!?」
いま、確かに何かが額にぶつかった。暗闇の中、手探りで辺りをさぐると、何かチクチクしたものに触れる。この感触、昼間嫌というほど触れていたのでわかる。
「タワシ……?」
「ご、ごめんなさい。でもさっきからずっと声を掛けてたのに起きないんだもの」
突然すぐそばでした声に、驚いて悲鳴を上げそうになった。でもその声に聞き覚えがあるのにすぐに気が付く。
「ライサ? びっくりさせないでよ。どうしたの、こんな夜中に」
自分で言っていてなんだかおかしい。ライサは正真正銘幽霊なわけで、びっくりして然るべきだし、夜中にいてなんらおかしくない。むしろ、いつも真昼間からうろうろしているここの幽霊たちの方が特殊だろう。
なんてどうでもいいことを考えている場合ではなかった。
「あなた、扉のこと知りたがってたでしょ」
ライサの思わぬ言葉に、ベッドから飛び起きる。
「どうしてそれを?」
「幽霊除けをかけられても声は聞こえるわよ。……知りたいなら一緒に来て」
「……今?」
「今でなきゃダメなの」
「待って、着替えるから」
「そんな暇ないわよ。急いで」
寝巻きを脱ごうとしたら、ライサが焦れたような声を残して扉の外に消えてしまった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
仕方なく着替えを諦め、月明かりを頼りに火打石でろうそくに火を点ける。着替えは諦められても、灯りがなければ歩けない。ライサが苛々した様子で「遅い」と呟く。
「こっちよ、着いてきて」
「待って……、どこに行くの」
すいすいと宙を進んでいくライサを見失わないよう、小走りについて行く。どこに行くのか、何があるのか説明して欲しかったけど、ライサも急いでいるようだった。そんな彼女がどこに向かっているのか察しがついたのは、階段を下り始めてからだ。
――扉に向かっているんだ。
きゅっと心臓が引き締まる。
決して近づいてはいけないと言われている、開かずの扉。その理由を私は知らないけれど、楽しいものではないだろう。できれば心の準備をしたいのだけど、前を進むライサはその頼みを聞いてはくれなそうだ。
しかし、階段を下りている途中で、突然ライサは動きを止めた。
「やっぱり結界が掛かってるか……、ミオ、あたしはここからは進めないみたい。あとは一人で行って」
「一人でって……、この先にあるのは開かずの扉よね? 私一人で行って何をすればいいの?」
「今夜、ミハイルが扉を開くわ」
――え?
思ってもいなかったライサの言葉に、私は返す言葉が見つからず、きょとんとしてしまった。
「ボーッとしている場合じゃないわよ。ミオは扉の中に行きたかったんじゃないの?」
「そう、だけど……、でも扉の中に何があるのか私は知らないし。私が思っているようなものと違うかもしれないし……」
「だから、それを確認したいんでしょ? ミハイルが教えてくれないなら自分で見に行くしかないじゃないの」
私に人差し指をつきつけて、当然のようにライサが告げる。……そうか。ミハイルさんから聞き出すことばかり考えていたけれど、知りたいものを知るためには自分で動かなきゃ。
一人で、この先に進むのは怖いけど……
「ライサは知っているの? 扉の先に何があるのか」
「知ってたらこんなまどろっこしいことしないわよ。幽霊は誰も扉には近づけない。それに、ミハイルが扉を開くのは多分初めてのはずよ。あたしが忘れていなければの話だけれど」
なら、どうしてミハイルさんは、今夜扉を開くことにしたのだろう。
ライサを残し、階段を踏み外さないように注意しながら考える。
本当はミハイルさんも扉の中に何があるのか知らなくて、私が知りたがっていたから開けてくれた、とか? いやいや、それはさすがに自分に都合よく考えすぎか。さすがに、彼にそこまでする義理はないだろう。
それよりも、リエーフさんにも扉に近づくなって言われてたのに、こんなところまで来たのがバレたら怒られてしまうかな。叱責だけで済めばいいけど、クビだと言われたらどうしよう。
けど、せっかくライサが教えてくれたんだし、ミハイルさんですら初めて開く扉が次にまた開く保証もないし。
意を決して足を踏み出す。
階段は永遠に続いているのではというほど長く、先には何も見えない。暗闇に飲み込まれていくような気分で、心細いし少し怖い。だけど不意にその暗闇に、針で穴を開けたような小さな光が生まれる。そしてそれは瞬く間に洪水のようにこちらまで押し寄せて、私の持つ頼りない灯りを塗りつぶす。
「な、何……?」
一瞬目が眩んで動けなくなったが、徐々に目が慣れ始め、私は再びゆっくりと階段を降り始めた。
暗闇でよく見えなかった足元が今度は眩しさで覚束ない。けれどその光もすぐに引いて行って、また辺りは暗闇に包まれた。
目がチカチカして気持ち悪い。けれどその目が慣れてきたころ、階段の終わりが見える。そしてその先に、倒れているミハイルさんの姿が見えた。
「ミハイルさん!?」
駆け寄り、叱責覚悟で呼びかける。でもミハイルさんは返事をしなかった。気を失ってる。体を揺すろうとして、穏やかな声にそれを止められた。
「少し力を使いすぎて、眠っているだけですよ」
――リエーフさん。
ばっと振り返ると、声から思い描いた通りの人物が私を見下ろしていた。
「力って……、扉を開けたことですか?」
「おやおや。誰から聞いたのでしょう。それに、ここに来てはいけないと言ってあったはずなんですがねぇ」
困ったようなセリフとは裏腹に、リエーフさんの顔は全く困ってはいなかった。むしろ私がここにくることを確信していたようにも思える。この様子では、誰から聞いたかまで見透かしている気がした。
「……朝、言いましたよね。負の感情に囚われた幽霊は気が狂ってしまうのだと。この扉はね……、そうして狂ってしまった幽霊たちの監獄なのですよ」
改めて扉を見る。蝋燭の灯りだけでははっきりと見えないけれど、古くて大きくて重そうな扉だということは、この頼りない光でもわかる。
「当家当主は幽霊を統べる力を受け継ぐ。統べるということは仲良くすることではないんですよ。勿論それも必要ですが、時としてその逆も必要となる」
「……ミハイルさんは今、朝私が見た苦しそうな幽霊を、この扉の向こうに封じたということですか?」
「ええ」
それが、どのくらい力を使うことなのか私には知る由もない。また、力を使いすぎたらどうなるのかもわからない。息はしているようだけど、ピクリともしないミハイルさんを見下ろして、私は眉をひそめた。
「少し休めば回復すると思いますが、差し支えなければ看護をお願いできますか? 部屋にはわたくしがお運びしますので」
「……それも仕事なら」
「つれない返事ですね。でも、お願いします。……わたくしが傍にいても安らげないでしょうからね」
小さく付け加えられた言葉は、少し切なそうな色があった。ずっと一緒にいるリエーフさんでもダメなのに、私ならいいということはないだろう。それでもリエーフさんじゃダメなのは、彼が幽霊だから、なのだろうか?
それだけでは、ないような気もする。
「貴方には感謝していますよ、ミオさん。貴方が屋敷に来てから、ミハイル様は今までどんなに言っても拒否してきた当主の責務を果たし始めた」
ミハイルさんの体を軽々と抱え上げ、リエーフさんが薄く微笑む。
いつもの穏やかな笑みとは少し質の違う、仄暗い笑み。
もしかしたら私は、リエーフさんに利用されているのかもしれない。彼の笑みを見ながら、そんな考えが頭に浮かんできた。けれど今はミハイルさんを休ませるのが先だし、ここでそれを追求したところでどうしようもない。
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