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223.敵か味方か
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「遂にお認めになりましたねぇ?」
マダム・バルバラは両腕を腰に当て、豊満な胸を突き出すような挑発的なポーズを取る。
「何を…………」
威嚇するように、ベッリーニ侯爵が口を開きかけるが、マダム・バルバラがそれを遮った。
「私のお店を援助していたことを、認めたではありませんか。………まあどちらにしても、ご自身でお話にならなければ、私が暴露して差し上げようと思っておりましたのに…………残念です」
今度は心底残念そうに、考え込むようなポーズを取りながら頬に手を当てて溜息をつくマダム・バルバラは、口元にだけ笑みを浮かべていた。
そして、先程彼女のガーターベルトから取り出した立派な羊皮紙の書物を、丸めた状態のままでひらひらとさせている。
その行動はまるで、『自分は言い逃れをさせない。強い証拠持っているのだ』とアピールしているかのようだった。
コロコロと態度と表情を変えるマダム・バルバラは、一体何を目的にここへやってきたのだろうと、アルフォンシーナは心底疑問に思った。
これから罪人として裁かれるベッリーニ侯爵と一緒のところをベルナルドに押さえられているのだし、そもそもこれだけベッリーニ侯爵を馬鹿にするような発言が、マダム・バルバラからあったことを考慮すると、単純な命乞い、とは考えにくい。
だとすると、彼女は一体、何のためにこの場へときたのだろうか。
(………そもそもあの方の証言は、彼女自身やベッリーニ侯爵側というよりも、わたくし達に有利なものであるようだけれど…………)
確かに彼女は、ビアンカを助けてくれた恩人でもあることを考えれば、彼女が自分たちを助けてくれた、と考えてもおかしくはないだろう。
しかし、彼女はベッリーニ侯爵の愛人だ。敵である自分たちを助けるような真似は初めからしない。
(…………だとすると…………)
考えれば考えるほど、マダム・バルバラは実は、ベッリーニ侯爵ではなく自分たちの味方なのではないかという考えが、アルフォンシーナの中で大きくなっていく。
だが、完全にそうとも言い切れないのは、彼女が自分達の肩を持つ理由が、保身のためだけにここまでしようとするだろうか。
アルフォンシーナが一人で自問自答している最中も、ベッリーニ侯爵とマダム・バルバラは言い合いをしていた。
マダム・バルバラは両腕を腰に当て、豊満な胸を突き出すような挑発的なポーズを取る。
「何を…………」
威嚇するように、ベッリーニ侯爵が口を開きかけるが、マダム・バルバラがそれを遮った。
「私のお店を援助していたことを、認めたではありませんか。………まあどちらにしても、ご自身でお話にならなければ、私が暴露して差し上げようと思っておりましたのに…………残念です」
今度は心底残念そうに、考え込むようなポーズを取りながら頬に手を当てて溜息をつくマダム・バルバラは、口元にだけ笑みを浮かべていた。
そして、先程彼女のガーターベルトから取り出した立派な羊皮紙の書物を、丸めた状態のままでひらひらとさせている。
その行動はまるで、『自分は言い逃れをさせない。強い証拠持っているのだ』とアピールしているかのようだった。
コロコロと態度と表情を変えるマダム・バルバラは、一体何を目的にここへやってきたのだろうと、アルフォンシーナは心底疑問に思った。
これから罪人として裁かれるベッリーニ侯爵と一緒のところをベルナルドに押さえられているのだし、そもそもこれだけベッリーニ侯爵を馬鹿にするような発言が、マダム・バルバラからあったことを考慮すると、単純な命乞い、とは考えにくい。
だとすると、彼女は一体、何のためにこの場へときたのだろうか。
(………そもそもあの方の証言は、彼女自身やベッリーニ侯爵側というよりも、わたくし達に有利なものであるようだけれど…………)
確かに彼女は、ビアンカを助けてくれた恩人でもあることを考えれば、彼女が自分たちを助けてくれた、と考えてもおかしくはないだろう。
しかし、彼女はベッリーニ侯爵の愛人だ。敵である自分たちを助けるような真似は初めからしない。
(…………だとすると…………)
考えれば考えるほど、マダム・バルバラは実は、ベッリーニ侯爵ではなく自分たちの味方なのではないかという考えが、アルフォンシーナの中で大きくなっていく。
だが、完全にそうとも言い切れないのは、彼女が自分達の肩を持つ理由が、保身のためだけにここまでしようとするだろうか。
アルフォンシーナが一人で自問自答している最中も、ベッリーニ侯爵とマダム・バルバラは言い合いをしていた。
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