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198.断罪(9)
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「離婚?」
その言葉にベルナルドが反応すると、レベッカは激しく頷いた。
「そうよ!そもそもベルナルド様の妻に相応しいのは私のほうだったのに、望まぬ結婚を押し付けられてお可哀想だったから………。しかも、その女に想いを寄せている幼馴染がいるって言うじゃない?それなら、二人が離婚して、ベルナルド様は私と、その女は幼馴染とくっつけば皆が幸せになれると思ったの!」
それまでの泣き顔から真逆の、誇らしげな表情を浮かべると、まるで自分が素晴らしい手助けでもしたかのような口ぶりで、レベッカは熱弁を振るい始めた。
ーーー重大な失言をしたことに気が付かない程に。
「………ほう?」
決して大きくはない、けれども末恐ろしい程の低い声が響いた。
「それは、陛下が王命で下した結婚が間違いだと………、アルフォンシーナを妻に選んだ陛下の目が節穴だと………、そう言っているのか?」
「………………!」
ベルナルドに『重大な失言』を指摘された瞬間、レベッカは大きく口を開いたまま、青褪めた。
それと同時に、父親であるベッリーニ侯爵も娘と全く同じ顔をしているのが目に入る。
レベッカの発言はベルナルドの指摘の通り、国王フェルディナンドの命令による結婚を否定するものに違いなかったからだ。
「へ、陛下…………っ!違うのです!これは…………っ」
事の重大さに気がついたレベッカは、慌てて弁明をしようとした。
その姿は、少し前の父親と同じように見えた。
しかし、彼女を玉座から見下ろすフェルディナンドの視線はとてつもなく冷たかった。
「レベッカ、と言ったか?………一体何が違うのか、説明してみよ」
フェルディナンドとは抑揚のない声で命じた。
その声を向けられたレベッカは、「ひいっ」と小さく悲鳴をあげ、縮み上がった。
「レベッカ!」
ベッリーニ侯爵が、慌てて娘を叱咤する。
しかし名を呼ばれたレベッカはというと、どうしていいのかわからずに、おろおろとしな柄あたりを見回した。
おそらくは、自分がどう立ち振る舞うべきなのかすらも分からない程に、狼狽えているということは、理解できた。
「説明しろと言ったのが、聞こえなかったのか?」
追い打ちでもかけるかのように、フェルディナンドが圧をかけると、レベッカはへなへなと、その場に座り込んでしまった。
その言葉にベルナルドが反応すると、レベッカは激しく頷いた。
「そうよ!そもそもベルナルド様の妻に相応しいのは私のほうだったのに、望まぬ結婚を押し付けられてお可哀想だったから………。しかも、その女に想いを寄せている幼馴染がいるって言うじゃない?それなら、二人が離婚して、ベルナルド様は私と、その女は幼馴染とくっつけば皆が幸せになれると思ったの!」
それまでの泣き顔から真逆の、誇らしげな表情を浮かべると、まるで自分が素晴らしい手助けでもしたかのような口ぶりで、レベッカは熱弁を振るい始めた。
ーーー重大な失言をしたことに気が付かない程に。
「………ほう?」
決して大きくはない、けれども末恐ろしい程の低い声が響いた。
「それは、陛下が王命で下した結婚が間違いだと………、アルフォンシーナを妻に選んだ陛下の目が節穴だと………、そう言っているのか?」
「………………!」
ベルナルドに『重大な失言』を指摘された瞬間、レベッカは大きく口を開いたまま、青褪めた。
それと同時に、父親であるベッリーニ侯爵も娘と全く同じ顔をしているのが目に入る。
レベッカの発言はベルナルドの指摘の通り、国王フェルディナンドの命令による結婚を否定するものに違いなかったからだ。
「へ、陛下…………っ!違うのです!これは…………っ」
事の重大さに気がついたレベッカは、慌てて弁明をしようとした。
その姿は、少し前の父親と同じように見えた。
しかし、彼女を玉座から見下ろすフェルディナンドの視線はとてつもなく冷たかった。
「レベッカ、と言ったか?………一体何が違うのか、説明してみよ」
フェルディナンドとは抑揚のない声で命じた。
その声を向けられたレベッカは、「ひいっ」と小さく悲鳴をあげ、縮み上がった。
「レベッカ!」
ベッリーニ侯爵が、慌てて娘を叱咤する。
しかし名を呼ばれたレベッカはというと、どうしていいのかわからずに、おろおろとしな柄あたりを見回した。
おそらくは、自分がどう立ち振る舞うべきなのかすらも分からない程に、狼狽えているということは、理解できた。
「説明しろと言ったのが、聞こえなかったのか?」
追い打ちでもかけるかのように、フェルディナンドが圧をかけると、レベッカはへなへなと、その場に座り込んでしまった。
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