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86.ベルナルドとフェルディナンド
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「今回の責任は全てわたくしにございます。全てが終わった暁には、どんな罰でも受ける所存でおります。ですから、どうかビアンカを………」
一頻り説明が終わると、アルフォンシーナはベルナルドに向かって必死に懇願した。
するとベルナルドは考え込むような仕草をしながら呟いた。
「………タルディッリ男爵家の中には、入って確認をしたのか?」
叱咤される事を覚悟していたアルフォンシーナは、ベルナルドが自分の話をきちんと受け止めてくれたという事に驚きを隠せなかった。
「いえ、おそらくそこまでは………。ですが、わたくしの方で出来る限りの指示は出しておきました。………つまり、わたくしに出来ることはやり尽くしたということになります。………だからこそ、旦那様のお力をお借りできないかと、ここまで参ったのです」
恥を忍んで、アルフォンシーナはそう言い切った。
もう、頼れる所が他にないのだ、という強い訴えを込めると、ベルナルドの表情がほんの少しだけ変化した気がした。
「………どう思う、ベルナルド?」
先に口を開いたのは、フェルディナンドの方だった。
「間違いなく犯人は、タルディッリ男爵家の嫡男だろう。だが、単独での犯行なのか、男爵家全体が絡んでいるのか、或いは協力者がいるのか………。現状では見えてこないな」
ベルナルドの表情は更に険しさを増す。
「確かに、タルディッリ男爵家の嫡男は口先ばかりの男に見えたが、果たしてそこまでの行動力があるかどうか………」
二人は、ああでもないこうでもないと犯人についての憶測を議論し始めてしまった。
状況から見て、ブルーノが絡んでいる可能性はかなり高そうだということはアルフォンシーナにも分かっていたが、それでも、幼馴染としての情があるせいか、ブルーノがビアンカに害を加えたとは思いたくなくて、アルフォンシーナはなるべくその可能性を自分の中から除外しようとしていた。
ぼんやりと、真剣に議論を交わす二人を見つめる。
こうしていると、国王と側近、というよりも、親友という表現がやはりしっくり来る。
何か強い絆で結ばれているような、そんな二人の様子を見ながら、アルフォンシーナはビアンカの無事を祈りつつ、事の成り行きを見守るのだった。
一頻り説明が終わると、アルフォンシーナはベルナルドに向かって必死に懇願した。
するとベルナルドは考え込むような仕草をしながら呟いた。
「………タルディッリ男爵家の中には、入って確認をしたのか?」
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「いえ、おそらくそこまでは………。ですが、わたくしの方で出来る限りの指示は出しておきました。………つまり、わたくしに出来ることはやり尽くしたということになります。………だからこそ、旦那様のお力をお借りできないかと、ここまで参ったのです」
恥を忍んで、アルフォンシーナはそう言い切った。
もう、頼れる所が他にないのだ、という強い訴えを込めると、ベルナルドの表情がほんの少しだけ変化した気がした。
「………どう思う、ベルナルド?」
先に口を開いたのは、フェルディナンドの方だった。
「間違いなく犯人は、タルディッリ男爵家の嫡男だろう。だが、単独での犯行なのか、男爵家全体が絡んでいるのか、或いは協力者がいるのか………。現状では見えてこないな」
ベルナルドの表情は更に険しさを増す。
「確かに、タルディッリ男爵家の嫡男は口先ばかりの男に見えたが、果たしてそこまでの行動力があるかどうか………」
二人は、ああでもないこうでもないと犯人についての憶測を議論し始めてしまった。
状況から見て、ブルーノが絡んでいる可能性はかなり高そうだということはアルフォンシーナにも分かっていたが、それでも、幼馴染としての情があるせいか、ブルーノがビアンカに害を加えたとは思いたくなくて、アルフォンシーナはなるべくその可能性を自分の中から除外しようとしていた。
ぼんやりと、真剣に議論を交わす二人を見つめる。
こうしていると、国王と側近、というよりも、親友という表現がやはりしっくり来る。
何か強い絆で結ばれているような、そんな二人の様子を見ながら、アルフォンシーナはビアンカの無事を祈りつつ、事の成り行きを見守るのだった。
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