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番外編
第三話 試練のお茶会(その一)
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結婚式の準備と王太子妃教育で目の回るような忙しい日々を送り、ようやく結婚式まであと二ヶ月と迫ったある日の昼下り。
私はとある侯爵家で開かれたお茶会に招待されていた。
正直乗り気ではなかったけれど、選り好みできるような立場ではない。(そんな事を言ったらまたジェイド様に怒られそうですけれどね)
「本日はお招きいただきありがとうございます」
私はホストであるアルテミア候爵夫妻とそのご子息、ご令嬢に挨拶をした。
候爵様は厳しそうな方で、夫人もどことなく神経質そうな方だ。
お子様方は私と同じ位のご年齢と思われるけれど、口数が少ない。
令嬢は心なしか私の方を睨んでいるような気がするけれど、気にしても仕方がないわね。
「こちらへどうぞ、公爵令嬢」
席への案内をしてくれたのは、そのご令嬢だった。確か名前はセシル嬢とか言ったかしら?
「ありがとうございます」
お礼を言う私を見る目に、明らかな侮蔑の眼差しが混ざっている。
私はあたりを見回した。
今日の招待客はあまり見知った顔も少なくて、その割に人数は多い。これは、場合によっては周り中敵だらけ………という可能性も考えられるわね。
でも、下手に動けばジェイド様にも、キャメロット公爵家のお義父様達にも迷惑を掛けてしまうことになりかねない。
どうするのが最善策なのか、どう動くべきかを見極める為に、私は少し様子を見ることにしたのだった。
「それにしても公爵令嬢は、恵まれておりますわねえ」
席について一番初めに声をかけてきたのは、やはりセシル嬢だった。
「元々は、属国の候爵令嬢だったのに、今では誇り高きエルカリオン王国王太子の婚約者だなんて、ねえ?」
セシル嬢が、口元にだけ意地悪な笑みを湛えた。
この方がロゼリア嬢と決定的に違うのは、セシル嬢は言葉では褒めて、態度で私をけなすということ。
あからさまに態度には出してこないと言うこと。
多分頭の出来はセシル嬢の方が何枚も上手なのだろう。
………これは、予想していたよりも
楽しいお茶会
になりそうね………。
私は人知れず、ため息をついたのだった。
私はとある侯爵家で開かれたお茶会に招待されていた。
正直乗り気ではなかったけれど、選り好みできるような立場ではない。(そんな事を言ったらまたジェイド様に怒られそうですけれどね)
「本日はお招きいただきありがとうございます」
私はホストであるアルテミア候爵夫妻とそのご子息、ご令嬢に挨拶をした。
候爵様は厳しそうな方で、夫人もどことなく神経質そうな方だ。
お子様方は私と同じ位のご年齢と思われるけれど、口数が少ない。
令嬢は心なしか私の方を睨んでいるような気がするけれど、気にしても仕方がないわね。
「こちらへどうぞ、公爵令嬢」
席への案内をしてくれたのは、そのご令嬢だった。確か名前はセシル嬢とか言ったかしら?
「ありがとうございます」
お礼を言う私を見る目に、明らかな侮蔑の眼差しが混ざっている。
私はあたりを見回した。
今日の招待客はあまり見知った顔も少なくて、その割に人数は多い。これは、場合によっては周り中敵だらけ………という可能性も考えられるわね。
でも、下手に動けばジェイド様にも、キャメロット公爵家のお義父様達にも迷惑を掛けてしまうことになりかねない。
どうするのが最善策なのか、どう動くべきかを見極める為に、私は少し様子を見ることにしたのだった。
「それにしても公爵令嬢は、恵まれておりますわねえ」
席について一番初めに声をかけてきたのは、やはりセシル嬢だった。
「元々は、属国の候爵令嬢だったのに、今では誇り高きエルカリオン王国王太子の婚約者だなんて、ねえ?」
セシル嬢が、口元にだけ意地悪な笑みを湛えた。
この方がロゼリア嬢と決定的に違うのは、セシル嬢は言葉では褒めて、態度で私をけなすということ。
あからさまに態度には出してこないと言うこと。
多分頭の出来はセシル嬢の方が何枚も上手なのだろう。
………これは、予想していたよりも
楽しいお茶会
になりそうね………。
私は人知れず、ため息をついたのだった。
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