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本編
第二十七話
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「ごめんなさいね、つい………」
公爵夫人が、少し恥ずかしそうに謝る。どちらも、優しくてとても感じの良い方々だわ。
「エリーゼ嬢、話は聞いているよ。私は君の父上であるコーネリアスとは旧知の中で、彼がこの国に滞在していた時に我がキャメロット公爵家が彼の後見を務めた。今回君がこの国に来たのも何かの縁だろう。是非、君がこの国て過ごすのに困らないように後見に立ちたいのだが、いかがかな?」
やはり、公爵を賜っているだけあって、この方はかなり頭が回るし、洞察力が優れていると思う。
私が、後見を断ろうか迷っていることも見抜いた上で、敢えてこういう言い方をされたのだ。命令以外で一番断りにくい方法をよくご存知ですのね。
「お申し出は大変ありがたいのですが………それでは、公爵様側にメリットがないのではありませんか?」
私はお父様のような、優れた力はない。後見をして、利益になるような人材ではないので、後見人に立っても、むしろ養わなければならないお荷物になってしまう可能性もある。
「いや、そんな事はないよ。妻だって娘ができると大喜びしていたからな」
「あら、貴方だって同じじゃないの。私達夫婦には息子しかいなくてね。寂しいと思っていたのよ。やっぱり女の子はいるだけで華やかになるじゃない?」
そういうものなのでしょうか。私はどう答えるべきか悩む。
「エリーゼ。世の中全てが損得出回っているわけではない。そなたはキャメロット公爵夫妻の元で、もう少しその堅苦しい思考回路を矯正すべきだな。キャメロット公爵夫妻、お願いできるかな?」
ジェイド様がすかさず横から入ってきて、とても失礼な理由をつけて話をまとめてしまった。
堅苦しい思考回路って、何と比較して堅苦しいといきますの?
「ええ、勿論ですわ、殿下」
「喜んでお引き受けいたします。………それにしても、本当に、素晴らしいご令嬢を選ばれましたね、殿下」
公爵は心底嬉しそうにされている。そんなふうに喜ばれたら、もう断れないではありませんか。
仕方なく、私は折れることにした。
「これから、お世話になりますが、よろしくお願い致します」
公爵夫人が、少し恥ずかしそうに謝る。どちらも、優しくてとても感じの良い方々だわ。
「エリーゼ嬢、話は聞いているよ。私は君の父上であるコーネリアスとは旧知の中で、彼がこの国に滞在していた時に我がキャメロット公爵家が彼の後見を務めた。今回君がこの国に来たのも何かの縁だろう。是非、君がこの国て過ごすのに困らないように後見に立ちたいのだが、いかがかな?」
やはり、公爵を賜っているだけあって、この方はかなり頭が回るし、洞察力が優れていると思う。
私が、後見を断ろうか迷っていることも見抜いた上で、敢えてこういう言い方をされたのだ。命令以外で一番断りにくい方法をよくご存知ですのね。
「お申し出は大変ありがたいのですが………それでは、公爵様側にメリットがないのではありませんか?」
私はお父様のような、優れた力はない。後見をして、利益になるような人材ではないので、後見人に立っても、むしろ養わなければならないお荷物になってしまう可能性もある。
「いや、そんな事はないよ。妻だって娘ができると大喜びしていたからな」
「あら、貴方だって同じじゃないの。私達夫婦には息子しかいなくてね。寂しいと思っていたのよ。やっぱり女の子はいるだけで華やかになるじゃない?」
そういうものなのでしょうか。私はどう答えるべきか悩む。
「エリーゼ。世の中全てが損得出回っているわけではない。そなたはキャメロット公爵夫妻の元で、もう少しその堅苦しい思考回路を矯正すべきだな。キャメロット公爵夫妻、お願いできるかな?」
ジェイド様がすかさず横から入ってきて、とても失礼な理由をつけて話をまとめてしまった。
堅苦しい思考回路って、何と比較して堅苦しいといきますの?
「ええ、勿論ですわ、殿下」
「喜んでお引き受けいたします。………それにしても、本当に、素晴らしいご令嬢を選ばれましたね、殿下」
公爵は心底嬉しそうにされている。そんなふうに喜ばれたら、もう断れないではありませんか。
仕方なく、私は折れることにした。
「これから、お世話になりますが、よろしくお願い致します」
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