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学園二年生編

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いや、私が知っていたのは公爵令嬢だからではなくてゲームのお陰なんだけれど………。
でも、ルーファスがオルティアに手を貸しているだなんて思ってもみなかった。
ただ、いくら天才宮廷魔術師とはいえ、おかしな副作用とか、大丈夫なのかな?私は少し心配になる。

「あの………、そのお薬は安全なのですか?ホルモン剤のような副作用は………」

そこまで口にして、私ははっとして思わず両手で口を覆った。
………余計な事まで口に出してしまった事に気がついた時には、もう遅かった。

「………ホルモン剤、って今言ったよね?………ジュリア………まさか、君も………」

オルティアが呆然とした顔で、私を見つめてきた。
………どうしよう。
別に転生者である事を隠そうとしていた訳じゃない。でも、言い出すタイミングが分からなくなって、一年間もずっと打ち明けられずにいた。
………これじゃまるでオルティアを騙していたみたいだ。

「………あの、ごめんなさい」

私はとりあえず謝った。
他にどうすればいいのか分からなかったから。

「………どうして、謝るんだい?」
「え?」

私はオルティアの言葉に目を瞬いた。

「だ、だって………私、転生者だって隠して………」
「それなら私だって同じだ。君に、転生者だなんて一度も打ち明けたことなかったと思うけど?」

オルティアは涼しい顔をしてそう告げた。

「あ…………」

言われてみれば、確かにそうだ。言葉の節々に、それを匂わせるような発言はあったけれど、直接オルティアから転生者だと聞いた覚えは、ない。

「でも、その様子だとジュリアは気がついていたみたいだね?」
「だ、だって………入学式の時私を見て、悪役令嬢って………」

すると、オルティアは一瞬目を丸くして、それから笑いだした。

「まさか、転生者っていうだけでなく、あのゲームのプレイヤーだったのかい?そんな偶然って、あるんだね」

………やっぱりオルティアもゲームのプレイヤーだったんだ………。
何だかそれを聞いたら、安心した気持ちになった。

「………本当は、入学式の時に打ち明けようと思ったの。………でも、私………こんな性格で………、話せなくて………」
「………でもあのゲームのプレイヤーなら、のこと見て、驚いただろう?」

オルティアの、いつもの紳士的な喋り方がほんの少しフランクになったのを聴いて、私は何だか少し、嬉しくなった。
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