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第二章
初めて R18
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空良の体温に包まれて安眠してた筈なのに何故か夜中にふ、と目が覚めて空良ごしに窓を見て思わず起き上がる。
「あさぎ……?」
珍しく舌足らずな空良に呼ばれたけど返事ができないまま、指だけ動いた。
「ん?なに……?」
こしこし目を擦りながら俺の指差す方を振り向いて、わあ……、って感嘆の声をあげる。ビックリしてくれたことが嬉しくて起き上がったその背中に抱きつきながら肩ごしにその光景を眺めた。
外はすごい数の星が見えてて、しかも流れ星が多数。見つめる先でもう何十個目かわからない星が流れて消える。
「わ、また……!」
「今度のは大きいね」
一際強く輝きながら長く尾を引いて消えていく流れ星。こんなたくさんの流れ星なんて初めて見る!って興奮気味に眺めてたら空良に引き寄せられて足の間に座らされて何かと思ったら俺と空良まとめて布団でくるまれた。
「これで寒くないでしょ?」
「ん」
ちょっと狭いけど背中に空良の体温を感じてすっごい落ち着く。こんなにたくさん流れ星が見えるならどれか1つくらいお願いを叶えてくれる星はないかな。
空良と一緒に帰りたい。それで、家族に会いたい。
無意識にお祈りポーズになってたみたいで空良がくすりと笑った。
「何お願いしたの?」
「空良と一緒に帰れますように、って。空良は?何か……」
空良見上げて話してる最中なのに唇を塞がれた。
一旦離れて、ズルイよ、って。それからまたキスされて、ぬる、と舌が入ってくる。
「ん……、や、何……んん……っ」
吸い付いては離れ、離れては吸い付き、舌が唾液ごと空良の口内に持ってかれたかと思ったら反対に空良の舌が俺の口の中を掻き回す。
水音に気を取られてる間にベッド中央に引き上げられて転がされて、目を開けたら空良が覆い被さってた。
「空良……?」
何だか切羽詰まったみたいな、そんな顔。俺の手と空良の手が重なって指が絡む。
「ごめん、でも……あんな可愛く笑わないで」
浅葱が側にいるだけで勃っちゃうくらい浅葱が欲しいんだよ、って言われて頬がカァ、と熱くなる。
「す、する、の?」
多分真っ赤になった頬に口付けて、そのまま首筋に舌を這わせる動きにビクビクしながら問いかけたら。
「してもいー……?」
耳元で低く甘く囁かれて、体がぞくりと反応してしまう。
怖い。怖いんだけど……でもそれ以上に、今日は俺も空良が欲しい気持ちが強い。だって魔狼に襲われた時空良がいなくなるかもって本当に怖くて、だから。
「今日は最後までしてもいい……?」
あれ以上の恐怖なんかない。
「ん、いいよ……」
「あ、ぁ、や、――――ふぁぁ……っ」
根元をキツく握られてイくにイけないもどかしさの中、空良の舌が敏感な箇所を掠めながら全体に這わされる。後孔に挿った指はもう3本に増えて好き勝手動き回って、ある一点に当たる度に僅かに体液が滲み出る。
気持ちよくて、頭がおかしくなりそう。
「は、ぁ……っ空良、も、やぁ……っイきたい……っ」
「ん。そろそろ1回イッちゃおうか」
チュプ、と唇を離して後ろを弄りながらそのまま前も激しく追いたてられて
「んぁぁ!や……っ!!空良、あ、空良ぁ……っ!!……――――っっ!!」
目の前で火花が散ったような感覚のあと頭が真っ白になった。
「あ――――、はぁ……っ」
くたりと力の抜けた体を柔らかな布団に預けて荒い息を吐いてたら、空良がおもむろに俺の頬をガシッと掴んで口付けられて……
「ん!?んー!んー!!」
ドロリ、と流れ込んできたこれは…タイミングと言い特有の臭いと言い……お、俺が出したヤツ……!?流石に自分のは……と言うかこんなもん飲むのも飲まれるのも嫌だ!そう思って必死に空良の胸を押すけど、空良はそのまま俺の口の中に擦り付けるみたいに舌を動かしてきて、歯を食いしばってみても液体だから無意味。
結局息継ぎに口を開けてしまって空良の舌がその液体を喉の方に押し込むから飲み込んでしまってゴホゴホと咳き込む。
「ぅえ……、何するんだよ……っ!」
「んー?」
「んー?、じゃなくて……ぁ……っ!」
指が抜ける感覚に震える俺にもう一度触れるだけのキスをしながら、ピト、と押し当てられた熱。
「浅葱と味わいたくて。超エロい味だったでしょ?」
どんな味だよ!って突っ込む前に物凄い存在感のあるその塊を物理的に突っ込まれた。
「ひ……っ!」
「キッツ……。ごめん、浅葱。痛い……?でも、ごめん……っ!」
「ひ、ぁ!」
ググッ、と押し込まれていくのに合わせてひきつれるような感覚と異物感はあるけど、痛みとは違う。
ただ熱い。
「あ、あぁ……っ」
「ごめんね、浅葱……っホントにごめんね……!」
何の涙かわからない雫が溢れてこぼれ落ちて、拭おうとする手は空良の手の平で包まれてまた指が絡む。
はぁっ、と一息大きく息を吐いた空良の動きが止まった。
「挿っ、た……?」
「うん。……ごめん、痛い……?」
ほんの少しピリッとした痛みはあるけど、些細なもの。
「平気、痛くない……。そんな謝るな……」
ただそこに意識を向けた所為か空良の怒張が中で脈打ってる事だとか形だとか、妙にしっかりわかってしまって全身熱くなってしまう。
それが何だか恥ずかしくて一人で照れてたらぽたりと頬に水滴が当たった。
「……?空良……?」
「何か、嬉しくて……」
へへ、って照れくさそうに笑いながらもう一度嬉しいって言ってまた涙を流す姿にキュンときちゃって、首に腕をかけて引き寄せる。
「空良……、好き……」
「もぉ、それ反則……っ」
唇が重なって何度も何度も繰り返しキスをして互いの息が上がった頃。
「動いてもい?」
訊かれて、ホントはちょっと怖いけど……いいよって頷いた。
「できるだけゆっくりするね……」
「うん……。っ、あ……!」
挿れる前に塗られたいい匂いのする何かが動くたびに溢れるのか、頭がクラクラしそうな程の甘い香りに包まれて意識が朦朧とする。
「あン……、ぁ、あ……っ」
ズル、と抜け出す感覚に大袈裟なくらい体が跳ねて、口からは自分のものじゃないみたいな甘ったるくて高い声が飛び出して恥ずかしい。
「……痛くなさそう、だね」
まだ心配してたのか。大丈夫って言ったのに。そう言う前に
「ん!あ!アァ……っゃ、ぁん……!あ、ぁ、――ひぁぁ……!」
強く腰を打ち付けられ動きが早くなる。
どうしよう。どうしよう。体が変。ゾクゾクというかムズムズというか。
「や、空良……、体……っ変だよぉ……!怖い……、怖い……!」
「落ち着いて……、ね?ほら、深呼吸」
一旦動きを止めてくれた空良に言われて懸命に息を吸う。その間もほんの少しの動きだけで身体中が変な感じになって、どうしようもなく怖い……。
「や、怖い……っく、怖……っ、よぉ……」
さっきは空良を失う事に比べたら、なんてかっこつけたけどやっぱりこんな未知の感覚には勝てなくて泣き出す俺の頭を撫でながら空良は優しく言った。
「大丈夫。浅葱、それ“気持ちいい”って事だよ」
「き、もちい……?」
「うん。ゾワゾワするでしょ?」
「ん、する……。これ気持ちいい?」
「そうだよ、だから怖いじゃなくて“気持ちいい”って言ってみて?」
「気持ちいい……」
まるで誘導されるみたいに呟いたら目尻の涙を吸いとった空良がまたゆっくり動き出した。
「や、ゃあ……っ」
「浅葱、イヤじゃなくて“イイ”って言って?」
「い、……イイ……っ」
「うん、そう。ね、気持ちいいでしょ?」
「気持ち、いい……、あ、ァん……、きもち、い……っ」
「いい子だね。もっと気持ちよくしてあげる」
頬を優しく撫でられて、キスされて。指で突かれて変な感じになったとこを連続で擦られたらもう訳がわかんなくなっちゃて。
「空良……っ、きもち、……っ気持ちいい……!空良、きもちぃ……よぉ、あ、ぁ、あぁ……!ア、あん……っ!ぃい……!」
バカみたいに言われた言葉を繰り返した。
微かに鳥の鳴く声がして目を覚ますと隣ではまだ空良がスヤスヤ眠ってて、しばらくその顔を眺めて……
「……~~~っ」
いきなり恥ずかしくなった。
だって、俺……空良とあんな……っ!恥ずかしい!
空良に背を向けながら布団に潜りこんで恥ずかしさで熱くなった体を持て余してたら、にゅっ、て伸びた腕に引き寄せられる。
「うわ!?」
「おはよ」
驚く俺の耳元で寝起きとは思えない甘い声を出しながら耳朶をぺろ、と一舐め。
「あだ!」
思わず蚊を叩くみたいに平手で殴ってしまった……。
「酷いよ~」
「朝から変なことするな!」
「えー?夜ならいいの?」
「夜、なら……」
嫌じゃなかったし、き…気持ち良かったし…。
てゆーか俺あんなに気持ちよくなっちゃって良かったのかな。男同士ってあんなに気持ちいいものなのか?……女の子とすらないからよくわかんないんだけど。
不安になって空良の腕を握ったら後ろ頭に擦り寄りながら、どうしたの?って訊いてくる。
「……あの、俺、昨日……」
「ん?めっちゃ可愛かったよ」
変じゃなかった?って訊く前にそんな言葉が返ってきて
「そんなの訊いてない!」
恥ずかしくて思わず言い返す。
でも良かった。変じゃなかったって事だよな……?こっそり、ホッと胸を撫で下ろす。空良はそんな俺に気付いてるのかいないのか欠伸をこぼしながら俺の体を器用に反転させて胸に抱き込んだ。俺とは違う、ほどよく筋肉のついた胸はまだ素肌のまんま。流石に下はいつ履かされたのかお互い履いてるけど、何だか昨日を思い出して恥ずかしい……。その所為か体が熱くて頭もボーッとする。
「……あは、耳真っ赤。照れてるの?」
「うるさい……」
ほんとに何でこいつはこんなに余裕なんだ。俺ばっか恥ずかしくて余裕ないの、腹立つな。無駄に整った顔を見つめて頬をムニッと引っ張る。
「いひゃいよぉ~」
くすくす笑いながら俺の額に手の平を押し当てた空良は最近見慣れた困った笑顔になった。
「ごめん、熱あるね」
「え?」
「さっきから熱いな、とは思ってたんだ。無理させたからだよね。ごめん……」
道理で熱いしぼんやりすると思った……。あと、その……ケツが違和感物凄くてしかもピリピリしてる。座ったら痛い予感がする……。
「謝るなって言った……」
「……うん」
だって途中怖くて泣いちゃったけど自分の意思で抱かれたんだから謝られる方が嫌だ。って思ってハッと気付く。
もしかして空良は嫌だったのかな。可愛かったって社交辞令だったりして。ほんとは俺とシても全然気持ち良くなんなかったとか。そんなネガティブな感情が込み上げてチロ、って見上げたらベッドから下りて服を拾った空良が
「ん?」
って首を傾げながら側に膝をついた。
「どうしたの?何か言いたそう。体、キツい?」
頬に触れるひんやりした手の平に擦り寄って、ううん、って首を振る。
「…………空良、は……」
「うん?なぁに?」
「…………空良は、昨日……ちゃんと気持ち良かった……?」
空良は俺が言った瞬間びっくりした顔をして……それからへにゃん、とベッドに崩れ落ちた。
やっぱり気持ち良くなかった、のかな……。
「……なの?」
「え?」
ボソボソと何事か呟く声はくぐもって聞こえない。聞き返したら
「それ、わざとなの?」
頬を真っ赤に染めた空良が顔を上げて鼻先にちょん、と唇を当てる。
「空良?」
「そんな可愛いこと訊かないで。無理させたくないのに我慢できなくなっちゃうでしょ」
「な……っ」
何だそれ!って言う前に唇が塞がれて声が吸い込まれてしまう。昨日とは全然違うほんとに塞ぐだけのキスだったけど俺が黙ってしまうには充分な威力。
ちゃんと気持ち良かったよ、ってまたくすくす笑って俺に上の服を着せると、みんなに今日は出られないって言ってくるね、って部屋を出ていった。
「あさぎ……?」
珍しく舌足らずな空良に呼ばれたけど返事ができないまま、指だけ動いた。
「ん?なに……?」
こしこし目を擦りながら俺の指差す方を振り向いて、わあ……、って感嘆の声をあげる。ビックリしてくれたことが嬉しくて起き上がったその背中に抱きつきながら肩ごしにその光景を眺めた。
外はすごい数の星が見えてて、しかも流れ星が多数。見つめる先でもう何十個目かわからない星が流れて消える。
「わ、また……!」
「今度のは大きいね」
一際強く輝きながら長く尾を引いて消えていく流れ星。こんなたくさんの流れ星なんて初めて見る!って興奮気味に眺めてたら空良に引き寄せられて足の間に座らされて何かと思ったら俺と空良まとめて布団でくるまれた。
「これで寒くないでしょ?」
「ん」
ちょっと狭いけど背中に空良の体温を感じてすっごい落ち着く。こんなにたくさん流れ星が見えるならどれか1つくらいお願いを叶えてくれる星はないかな。
空良と一緒に帰りたい。それで、家族に会いたい。
無意識にお祈りポーズになってたみたいで空良がくすりと笑った。
「何お願いしたの?」
「空良と一緒に帰れますように、って。空良は?何か……」
空良見上げて話してる最中なのに唇を塞がれた。
一旦離れて、ズルイよ、って。それからまたキスされて、ぬる、と舌が入ってくる。
「ん……、や、何……んん……っ」
吸い付いては離れ、離れては吸い付き、舌が唾液ごと空良の口内に持ってかれたかと思ったら反対に空良の舌が俺の口の中を掻き回す。
水音に気を取られてる間にベッド中央に引き上げられて転がされて、目を開けたら空良が覆い被さってた。
「空良……?」
何だか切羽詰まったみたいな、そんな顔。俺の手と空良の手が重なって指が絡む。
「ごめん、でも……あんな可愛く笑わないで」
浅葱が側にいるだけで勃っちゃうくらい浅葱が欲しいんだよ、って言われて頬がカァ、と熱くなる。
「す、する、の?」
多分真っ赤になった頬に口付けて、そのまま首筋に舌を這わせる動きにビクビクしながら問いかけたら。
「してもいー……?」
耳元で低く甘く囁かれて、体がぞくりと反応してしまう。
怖い。怖いんだけど……でもそれ以上に、今日は俺も空良が欲しい気持ちが強い。だって魔狼に襲われた時空良がいなくなるかもって本当に怖くて、だから。
「今日は最後までしてもいい……?」
あれ以上の恐怖なんかない。
「ん、いいよ……」
「あ、ぁ、や、――――ふぁぁ……っ」
根元をキツく握られてイくにイけないもどかしさの中、空良の舌が敏感な箇所を掠めながら全体に這わされる。後孔に挿った指はもう3本に増えて好き勝手動き回って、ある一点に当たる度に僅かに体液が滲み出る。
気持ちよくて、頭がおかしくなりそう。
「は、ぁ……っ空良、も、やぁ……っイきたい……っ」
「ん。そろそろ1回イッちゃおうか」
チュプ、と唇を離して後ろを弄りながらそのまま前も激しく追いたてられて
「んぁぁ!や……っ!!空良、あ、空良ぁ……っ!!……――――っっ!!」
目の前で火花が散ったような感覚のあと頭が真っ白になった。
「あ――――、はぁ……っ」
くたりと力の抜けた体を柔らかな布団に預けて荒い息を吐いてたら、空良がおもむろに俺の頬をガシッと掴んで口付けられて……
「ん!?んー!んー!!」
ドロリ、と流れ込んできたこれは…タイミングと言い特有の臭いと言い……お、俺が出したヤツ……!?流石に自分のは……と言うかこんなもん飲むのも飲まれるのも嫌だ!そう思って必死に空良の胸を押すけど、空良はそのまま俺の口の中に擦り付けるみたいに舌を動かしてきて、歯を食いしばってみても液体だから無意味。
結局息継ぎに口を開けてしまって空良の舌がその液体を喉の方に押し込むから飲み込んでしまってゴホゴホと咳き込む。
「ぅえ……、何するんだよ……っ!」
「んー?」
「んー?、じゃなくて……ぁ……っ!」
指が抜ける感覚に震える俺にもう一度触れるだけのキスをしながら、ピト、と押し当てられた熱。
「浅葱と味わいたくて。超エロい味だったでしょ?」
どんな味だよ!って突っ込む前に物凄い存在感のあるその塊を物理的に突っ込まれた。
「ひ……っ!」
「キッツ……。ごめん、浅葱。痛い……?でも、ごめん……っ!」
「ひ、ぁ!」
ググッ、と押し込まれていくのに合わせてひきつれるような感覚と異物感はあるけど、痛みとは違う。
ただ熱い。
「あ、あぁ……っ」
「ごめんね、浅葱……っホントにごめんね……!」
何の涙かわからない雫が溢れてこぼれ落ちて、拭おうとする手は空良の手の平で包まれてまた指が絡む。
はぁっ、と一息大きく息を吐いた空良の動きが止まった。
「挿っ、た……?」
「うん。……ごめん、痛い……?」
ほんの少しピリッとした痛みはあるけど、些細なもの。
「平気、痛くない……。そんな謝るな……」
ただそこに意識を向けた所為か空良の怒張が中で脈打ってる事だとか形だとか、妙にしっかりわかってしまって全身熱くなってしまう。
それが何だか恥ずかしくて一人で照れてたらぽたりと頬に水滴が当たった。
「……?空良……?」
「何か、嬉しくて……」
へへ、って照れくさそうに笑いながらもう一度嬉しいって言ってまた涙を流す姿にキュンときちゃって、首に腕をかけて引き寄せる。
「空良……、好き……」
「もぉ、それ反則……っ」
唇が重なって何度も何度も繰り返しキスをして互いの息が上がった頃。
「動いてもい?」
訊かれて、ホントはちょっと怖いけど……いいよって頷いた。
「できるだけゆっくりするね……」
「うん……。っ、あ……!」
挿れる前に塗られたいい匂いのする何かが動くたびに溢れるのか、頭がクラクラしそうな程の甘い香りに包まれて意識が朦朧とする。
「あン……、ぁ、あ……っ」
ズル、と抜け出す感覚に大袈裟なくらい体が跳ねて、口からは自分のものじゃないみたいな甘ったるくて高い声が飛び出して恥ずかしい。
「……痛くなさそう、だね」
まだ心配してたのか。大丈夫って言ったのに。そう言う前に
「ん!あ!アァ……っゃ、ぁん……!あ、ぁ、――ひぁぁ……!」
強く腰を打ち付けられ動きが早くなる。
どうしよう。どうしよう。体が変。ゾクゾクというかムズムズというか。
「や、空良……、体……っ変だよぉ……!怖い……、怖い……!」
「落ち着いて……、ね?ほら、深呼吸」
一旦動きを止めてくれた空良に言われて懸命に息を吸う。その間もほんの少しの動きだけで身体中が変な感じになって、どうしようもなく怖い……。
「や、怖い……っく、怖……っ、よぉ……」
さっきは空良を失う事に比べたら、なんてかっこつけたけどやっぱりこんな未知の感覚には勝てなくて泣き出す俺の頭を撫でながら空良は優しく言った。
「大丈夫。浅葱、それ“気持ちいい”って事だよ」
「き、もちい……?」
「うん。ゾワゾワするでしょ?」
「ん、する……。これ気持ちいい?」
「そうだよ、だから怖いじゃなくて“気持ちいい”って言ってみて?」
「気持ちいい……」
まるで誘導されるみたいに呟いたら目尻の涙を吸いとった空良がまたゆっくり動き出した。
「や、ゃあ……っ」
「浅葱、イヤじゃなくて“イイ”って言って?」
「い、……イイ……っ」
「うん、そう。ね、気持ちいいでしょ?」
「気持ち、いい……、あ、ァん……、きもち、い……っ」
「いい子だね。もっと気持ちよくしてあげる」
頬を優しく撫でられて、キスされて。指で突かれて変な感じになったとこを連続で擦られたらもう訳がわかんなくなっちゃて。
「空良……っ、きもち、……っ気持ちいい……!空良、きもちぃ……よぉ、あ、ぁ、あぁ……!ア、あん……っ!ぃい……!」
バカみたいに言われた言葉を繰り返した。
微かに鳥の鳴く声がして目を覚ますと隣ではまだ空良がスヤスヤ眠ってて、しばらくその顔を眺めて……
「……~~~っ」
いきなり恥ずかしくなった。
だって、俺……空良とあんな……っ!恥ずかしい!
空良に背を向けながら布団に潜りこんで恥ずかしさで熱くなった体を持て余してたら、にゅっ、て伸びた腕に引き寄せられる。
「うわ!?」
「おはよ」
驚く俺の耳元で寝起きとは思えない甘い声を出しながら耳朶をぺろ、と一舐め。
「あだ!」
思わず蚊を叩くみたいに平手で殴ってしまった……。
「酷いよ~」
「朝から変なことするな!」
「えー?夜ならいいの?」
「夜、なら……」
嫌じゃなかったし、き…気持ち良かったし…。
てゆーか俺あんなに気持ちよくなっちゃって良かったのかな。男同士ってあんなに気持ちいいものなのか?……女の子とすらないからよくわかんないんだけど。
不安になって空良の腕を握ったら後ろ頭に擦り寄りながら、どうしたの?って訊いてくる。
「……あの、俺、昨日……」
「ん?めっちゃ可愛かったよ」
変じゃなかった?って訊く前にそんな言葉が返ってきて
「そんなの訊いてない!」
恥ずかしくて思わず言い返す。
でも良かった。変じゃなかったって事だよな……?こっそり、ホッと胸を撫で下ろす。空良はそんな俺に気付いてるのかいないのか欠伸をこぼしながら俺の体を器用に反転させて胸に抱き込んだ。俺とは違う、ほどよく筋肉のついた胸はまだ素肌のまんま。流石に下はいつ履かされたのかお互い履いてるけど、何だか昨日を思い出して恥ずかしい……。その所為か体が熱くて頭もボーッとする。
「……あは、耳真っ赤。照れてるの?」
「うるさい……」
ほんとに何でこいつはこんなに余裕なんだ。俺ばっか恥ずかしくて余裕ないの、腹立つな。無駄に整った顔を見つめて頬をムニッと引っ張る。
「いひゃいよぉ~」
くすくす笑いながら俺の額に手の平を押し当てた空良は最近見慣れた困った笑顔になった。
「ごめん、熱あるね」
「え?」
「さっきから熱いな、とは思ってたんだ。無理させたからだよね。ごめん……」
道理で熱いしぼんやりすると思った……。あと、その……ケツが違和感物凄くてしかもピリピリしてる。座ったら痛い予感がする……。
「謝るなって言った……」
「……うん」
だって途中怖くて泣いちゃったけど自分の意思で抱かれたんだから謝られる方が嫌だ。って思ってハッと気付く。
もしかして空良は嫌だったのかな。可愛かったって社交辞令だったりして。ほんとは俺とシても全然気持ち良くなんなかったとか。そんなネガティブな感情が込み上げてチロ、って見上げたらベッドから下りて服を拾った空良が
「ん?」
って首を傾げながら側に膝をついた。
「どうしたの?何か言いたそう。体、キツい?」
頬に触れるひんやりした手の平に擦り寄って、ううん、って首を振る。
「…………空良、は……」
「うん?なぁに?」
「…………空良は、昨日……ちゃんと気持ち良かった……?」
空良は俺が言った瞬間びっくりした顔をして……それからへにゃん、とベッドに崩れ落ちた。
やっぱり気持ち良くなかった、のかな……。
「……なの?」
「え?」
ボソボソと何事か呟く声はくぐもって聞こえない。聞き返したら
「それ、わざとなの?」
頬を真っ赤に染めた空良が顔を上げて鼻先にちょん、と唇を当てる。
「空良?」
「そんな可愛いこと訊かないで。無理させたくないのに我慢できなくなっちゃうでしょ」
「な……っ」
何だそれ!って言う前に唇が塞がれて声が吸い込まれてしまう。昨日とは全然違うほんとに塞ぐだけのキスだったけど俺が黙ってしまうには充分な威力。
ちゃんと気持ち良かったよ、ってまたくすくす笑って俺に上の服を着せると、みんなに今日は出られないって言ってくるね、って部屋を出ていった。
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