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後悔の多い人生だった。
今さら悔やんだところでどうしようもないのだが…。
私は冷たい床の上に転がったまま静かに目を閉じた。
こんな私にも来世はあるだろうか。
次はこんな過ちばかりの人生にはしない。
もう一度やり直せたら…。
そんなチャンスありはしないだろうに、願ってしまう。
昔の私ならこんなこと考えもしなかっただろう。
もしやり直すチャンスがあったら、きっと次は上手くやるから…
最期までそんなことを考えながら私は意識を手放した。
……ところまでは覚えている。
一体何が起きたのだろうか。
私は冷たい床に転がっていたはずなのに。
今は、ふかふかのベッドの上いる。
肺を患って呼吸もままならなかったのに。
今は、大きく息を吸ったり吐いたりしている。咳も出ない。
痩せこけて指は骨ばっていたのに。
今は、つやつやの肌で、しかもなんか小さくなっている。
小さくなっている??
私は恐る恐るベッドから降りて、部屋の一角に向かう。
ここには姿見がある。
なんで知っているのか。
なぜならここは、私の幼少期に過ごした自室だから。
姿見に映った私は幼いころの姿だった。
「どういう、こと…?」
もしかして。
願ったことが、叶ったのか?
もう一度やり直したい。
その願いが。
もし本当にそうだとしたら、私は……。
ガシャンッ
隣の部屋から何かが落ちる音がした。
「隣の部屋、ということは…」
私はぎゅっと拳を握って、迷いを振り切るように一度首を横に振った。
やり直さなければ。
もう、あんな過ちを起こさないために。
悔いのない人生にするために。
私は寝間着の上に羽織を一枚かけて自室を出たのだった。
今さら悔やんだところでどうしようもないのだが…。
私は冷たい床の上に転がったまま静かに目を閉じた。
こんな私にも来世はあるだろうか。
次はこんな過ちばかりの人生にはしない。
もう一度やり直せたら…。
そんなチャンスありはしないだろうに、願ってしまう。
昔の私ならこんなこと考えもしなかっただろう。
もしやり直すチャンスがあったら、きっと次は上手くやるから…
最期までそんなことを考えながら私は意識を手放した。
……ところまでは覚えている。
一体何が起きたのだろうか。
私は冷たい床に転がっていたはずなのに。
今は、ふかふかのベッドの上いる。
肺を患って呼吸もままならなかったのに。
今は、大きく息を吸ったり吐いたりしている。咳も出ない。
痩せこけて指は骨ばっていたのに。
今は、つやつやの肌で、しかもなんか小さくなっている。
小さくなっている??
私は恐る恐るベッドから降りて、部屋の一角に向かう。
ここには姿見がある。
なんで知っているのか。
なぜならここは、私の幼少期に過ごした自室だから。
姿見に映った私は幼いころの姿だった。
「どういう、こと…?」
もしかして。
願ったことが、叶ったのか?
もう一度やり直したい。
その願いが。
もし本当にそうだとしたら、私は……。
ガシャンッ
隣の部屋から何かが落ちる音がした。
「隣の部屋、ということは…」
私はぎゅっと拳を握って、迷いを振り切るように一度首を横に振った。
やり直さなければ。
もう、あんな過ちを起こさないために。
悔いのない人生にするために。
私は寝間着の上に羽織を一枚かけて自室を出たのだった。
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