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3部、1章

輝くモヤの湿地森林

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 虹色に輝く滝に囲まれた階段を俺たちは降っていく。階段と表すには岩盤を幾つか重ねた形だ。後とてもでかい。一段を降りるのに少々手間が掛かるくらいだ。みんな平気で飛んで降りているが。

「悠人、最上級デーモンだから飛び降りても平気よ?」

 セレストの背中には翼がある。最上級デーモンだから、飛べるらしい。

「なんか怖いんだよ! 俺は手にカメラを持ってるし」

 そう言いつつ俺は一度立ち止まり景色を写真に撮った。

「素敵な光景ですね、悠人様!」

 俺の手元でカメラは、カメラの姿のまま答えた。擬人化してからカメラは良い協力者となった。細かな設定の相談をしたり調子が悪いところを教えてくれたり便利というのは良くないな。意思がある相手として接していこう。

「そうだな、カメラ。ちょっと酷使するけど後で手入れするからな」

「はい!」

「ちょっとー! なんで私だけ自分で撮らないとダメなの!」

「ごめんなスマホ。カメラは両手を使うから。スマホならなんとかなりそうだったからつい」

「フッフーン! 許してあげる! スマホはカメラと違って万能なんだから」

 スマホは人間の形態に返信してもらい目をカメラ代わりに撮影してもらっている。

 階段を降りた先に広がるのは湿地森林だった。俺が土の地面に踏み出すよりも先に凛音が飛び出して地面を踏んだ。地面は剥き出しではなく、苔や草が生えており凛音の足がふわっと沈む。

「すっごーい。フカフカだ! 湿気が多いから植物も多いし」

「凛音。危ないから飛び出さないようにな」

「それは私だけに言うこと?」

 俺の背後に居た藍華もすでに踏み出して苔や草の地面の感触を感じて遊んでいた。

「藍華まで! 俺が先頭だから安全確認出来るまで出てきちゃダメだって」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん! 私の模倣魔法でエルリックさんの加護を真似てるから探知もしたもん!」

「俺より魔法使いこなしてるな……。じゃあ、周りに敵は居ないのか?」

「今の所反応はないよー!」

「ならいいか。ソフィーナもそろそろ行きたいだろ?」

「ソフィーナも?」

「俺も探したいからな! スパイスに野菜! タロイモ、ウォータースピナッチ、クワの実、ガランガル、ターメリック。そして、マジカルシナモン!」

 凛音と藍華を追い越して俺とソフィーナは走り出した。岩竜のソフィーナは食い放題。俺は採取し放題。後で畑で育ててもらえるし! あっちでも同じ植物ありそうだけど。
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