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3部、1章

強引な人

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 俺たちはダンジョン内にて全員揃った。ある程度安全を確認してから大きめの明かりを付けて暗いダンジョンを進んでいく。俺だけ足が重い。リヴァイアサンが俺に抱き着いて離れないからだ。

「ごめんな、先頭の俺が遅くて」

 リヴァイアサンは体重を掛けている訳でもない、彼女の重さはおそらく一般成人女性と同じくらいだろう。俺が女性慣れしてないから気遣いのしてしまうだけなのだ。

「いいよ! 悠人のお母さんなんでしょ?」

「そんな訳あるか! 凛音も俺の母さんに会ったこと……。無いか。俺の母さんも一般人!」

「そっかー!」

「良いじゃないか悠人。リヴァイアサンは強力な味方だ、僕としては親しくして懐柔しといて欲しい」

 それはそうだが、あんまり仲良くなると付いてきそうで怖い。だが、その言葉にリヴァイアサンは反応した。リュセラを睨みつける。

「リュートはそんなことしません!」

「悠人です。俺は誰も傷付かないためならそう言うことします。だから別人ですって」

 リヴァイアサンは口に手を当てて涙目に。

「優しく成長しているんですね」

「強引な解釈!」

 そのまま、進んでいくと暗いダンジョンの奥に明かりが見えた。ダンジョンの地下世界は太陽の光が無いが代わりに光る鉱石や魔法によって国々は照らされている。

「エルドラス。国までどのくらいだ?」

「湿地の森を抜けて遺跡を通ったら直ぐなの。でも……」

「悠人。息子の気配があります。湿地森林のあたりでしょう」

「早速か。なるべく穏便に解決しますね」

「兄弟ですものね」

「違います! 傷つけたく無いだけです」

「でも、私。ちょっとくらい戦闘したい!」

「凛音。親御さんの前で……」

「良いでしょう。ただ、末っ子なので加減が効かないかもしれません」

「リヴァイアサンの力は確かにやばい」

 俺は直接リヴァイアサンの能力を見た。あの大爆発や溶かせない氷など。俺と凛音のような普通の人間が勝てる相手では無い。凛音は精霊の子供だけど。普通に生活していた彼女には荷が重い。トライ狂いで鍛えられてそうだが。
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