214 / 242
2部3章
魔法の戦い
しおりを挟む
地上の俺たちからかなり離れた上空にてセレストとライズさんは対峙している。
辺りは風通しのいい畑だ。収穫を終えたため生えているのは背の高い草ばかりだ。草は風によって揺れる。やや強い風が吹いているのはライズさんの風の精霊によるものなのだ。
「良かった。二人とも加減してくれてるみたいで」
「えっ、あれで加減してんのかよ?」
戦士の男は俺の作り出した氷の盾を端に避け、畑に転がった岩を寄せていた。
「俺でも本気を見たことないですが、世界を滅ぼせるとかエルリックさんが言ってたので」
「おっかねえ嬢ちゃんだな。兄貴も本気になるわけだ。流石の兄貴でも世界は滅ぼせねえだろ。俺も兄貴の本気を見たことねえが」
上空で先に動いたのはセレストだった。ナイフを大振りした途端、ライズさんの前の空が歪んだ。
「あいつ! 空間を切ったのか!」
「すごいな。でもあんな上空なら被害は……」
空間の歪みは地上まで届くと広がり村を両断した。
「村のみんなが!」
「平気よ。全員避難させといた。ここにあらずの加護でちょっと転移させてね」
空の上のセレストが大声で知らせてくれた。
「家を壊すのもダメだろ!」
「それも平気。切った空間は接着できる。それで全ては元通り。もちろん戻さないこともできるのよ」
セレストはナイフを振りライズさん目掛けて空間を引き裂いた。ライズさんの肩の上で一匹の鳥がさえずり。目の前に発光色の壁が現れる。
「魔法封じ。それなら防げるでしょう。この攻撃でなければね」
セレストの言葉の前にライズさんは風に乗って回避を図った。すると発光色の壁ごと引き裂かれて消滅した。
「最強なら魔法封じは使えるものね。お互いに」
「なるほど! 魔法封じを含んだ魔法の行使! 私にはない発想だ。では、試してみましょう」
ライズさんは剣を前に向け鳥の一羽を剣へと飛び込ませた。剣に変化はないが周囲に光の輪が生まれた。
「応用早すぎ! 初見よね!?」
「ええ。成長だけが取り柄でして!」
剣を振るったライズさん。光の束となった斬撃がセレストに向かう。ナイフで受けたセレストは吹っ飛ばされた。斬撃をいなし、それを空の彼方へと弾き返した。
拮抗する二人の実力に驚く。セレストについ従い出来るほどの実力のライズさんの強さ。セレストが空に攻撃を弾いたのは良かった。村に配慮してくれて助かる。今度はライズさんの攻撃の方が不安になってきたが……。
辺りは風通しのいい畑だ。収穫を終えたため生えているのは背の高い草ばかりだ。草は風によって揺れる。やや強い風が吹いているのはライズさんの風の精霊によるものなのだ。
「良かった。二人とも加減してくれてるみたいで」
「えっ、あれで加減してんのかよ?」
戦士の男は俺の作り出した氷の盾を端に避け、畑に転がった岩を寄せていた。
「俺でも本気を見たことないですが、世界を滅ぼせるとかエルリックさんが言ってたので」
「おっかねえ嬢ちゃんだな。兄貴も本気になるわけだ。流石の兄貴でも世界は滅ぼせねえだろ。俺も兄貴の本気を見たことねえが」
上空で先に動いたのはセレストだった。ナイフを大振りした途端、ライズさんの前の空が歪んだ。
「あいつ! 空間を切ったのか!」
「すごいな。でもあんな上空なら被害は……」
空間の歪みは地上まで届くと広がり村を両断した。
「村のみんなが!」
「平気よ。全員避難させといた。ここにあらずの加護でちょっと転移させてね」
空の上のセレストが大声で知らせてくれた。
「家を壊すのもダメだろ!」
「それも平気。切った空間は接着できる。それで全ては元通り。もちろん戻さないこともできるのよ」
セレストはナイフを振りライズさん目掛けて空間を引き裂いた。ライズさんの肩の上で一匹の鳥がさえずり。目の前に発光色の壁が現れる。
「魔法封じ。それなら防げるでしょう。この攻撃でなければね」
セレストの言葉の前にライズさんは風に乗って回避を図った。すると発光色の壁ごと引き裂かれて消滅した。
「最強なら魔法封じは使えるものね。お互いに」
「なるほど! 魔法封じを含んだ魔法の行使! 私にはない発想だ。では、試してみましょう」
ライズさんは剣を前に向け鳥の一羽を剣へと飛び込ませた。剣に変化はないが周囲に光の輪が生まれた。
「応用早すぎ! 初見よね!?」
「ええ。成長だけが取り柄でして!」
剣を振るったライズさん。光の束となった斬撃がセレストに向かう。ナイフで受けたセレストは吹っ飛ばされた。斬撃をいなし、それを空の彼方へと弾き返した。
拮抗する二人の実力に驚く。セレストについ従い出来るほどの実力のライズさんの強さ。セレストが空に攻撃を弾いたのは良かった。村に配慮してくれて助かる。今度はライズさんの攻撃の方が不安になってきたが……。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる