207 / 242
2部3章
村の危機
しおりを挟む
静まり返った村の真ん中、のどかな農村に集まった人々の間を柔らかな風が吹く。争いは一旦止まった。あれほど敵意を示していた、世界で五本の指に入る戦士さんと戦闘民族の方々は一旦武器を下ろしてくれている。
星の海。リュセラの最強魔法を見たため戦意はすっかり衰えたようで怯えているようにも見える。攻撃されたのは俺だけだけど。星の海の精霊たちにめちゃくちゃ殴られた俺。精霊たちはリュセラの説明で納得して帰った。
「悠人は精霊達と初めて会ったから、誤認したとのことだ。次使う時は分かってくれる」
「良かった。俺がリヴァイアサンと最上級デーモンで。そのせいで殴られたがな」
「無事の方がおかしい。最強の召喚魔法だぞ?」
「そう言えばなんで、魔王の魔道書の中にこの魔法が」
「このアザレア、お答え出来ません」
アザレアは澄ました顔をしつつ頭を下げていた。視線も下を向く。
「そこまでしなくても……」
「いいえ! 私の存在意義は魔王様をお支えすること! 説明出来ないは言い訳です! いっそ本契約をして私を支配してくだされば、ご説明できます!」
「そうなのか、確かに気になるが……」
「先代魔王様の契約を破ったら、私は消滅しますが」
「今の無しで!」
「悠人。秘書に手玉に取られてるわね」
「でも、私でも流石に興味のために人が悲しむのは嫌だなー」
「凛音は俺に攻撃しまくってるの忘れる人なの?!」
「悠人は強いから大丈夫だと思って……。そう言うの昔からなんとなく分かるから」
「ついでに俺の気持ちも分かってくれ……」
「悠人。そいつ、消滅しても数年後に復活するからな」
「それでも、消滅させちゃうのは嫌だ」
「相変わらず優しいなお前は」
俺たちの会話が弾んでいる時に手を挙げたのは、世界で五本の指に入る戦士だった。
「あのー! 強いのは分かった。だが、認めるかどうかは違う問題だ!」
「確かに。一方的に話を進めるのも良くないな」
「と言うことで、お願い事があるんだが?」
「良いですよ。俺たちに出来ることなら」
「ではこの村を包囲している、大国の騎士隊を追い払ってくれ」
「大ピンチじゃないですか! 一体何が?」
「かつて、共に戦った大国が。我々を見限ったのだ!」
「そうか、世界で五本の指に入る戦士を始末しようと……!」
「いや、大国のもてなしにたかって、金を借りすぎてな」
「あんたが悪いわ!」
俺たちが遠くを見ると、旗印が見える。いかにも豪華な旗と紋章。そして数えきれないほどの軍勢がそこにいた。
星の海。リュセラの最強魔法を見たため戦意はすっかり衰えたようで怯えているようにも見える。攻撃されたのは俺だけだけど。星の海の精霊たちにめちゃくちゃ殴られた俺。精霊たちはリュセラの説明で納得して帰った。
「悠人は精霊達と初めて会ったから、誤認したとのことだ。次使う時は分かってくれる」
「良かった。俺がリヴァイアサンと最上級デーモンで。そのせいで殴られたがな」
「無事の方がおかしい。最強の召喚魔法だぞ?」
「そう言えばなんで、魔王の魔道書の中にこの魔法が」
「このアザレア、お答え出来ません」
アザレアは澄ました顔をしつつ頭を下げていた。視線も下を向く。
「そこまでしなくても……」
「いいえ! 私の存在意義は魔王様をお支えすること! 説明出来ないは言い訳です! いっそ本契約をして私を支配してくだされば、ご説明できます!」
「そうなのか、確かに気になるが……」
「先代魔王様の契約を破ったら、私は消滅しますが」
「今の無しで!」
「悠人。秘書に手玉に取られてるわね」
「でも、私でも流石に興味のために人が悲しむのは嫌だなー」
「凛音は俺に攻撃しまくってるの忘れる人なの?!」
「悠人は強いから大丈夫だと思って……。そう言うの昔からなんとなく分かるから」
「ついでに俺の気持ちも分かってくれ……」
「悠人。そいつ、消滅しても数年後に復活するからな」
「それでも、消滅させちゃうのは嫌だ」
「相変わらず優しいなお前は」
俺たちの会話が弾んでいる時に手を挙げたのは、世界で五本の指に入る戦士だった。
「あのー! 強いのは分かった。だが、認めるかどうかは違う問題だ!」
「確かに。一方的に話を進めるのも良くないな」
「と言うことで、お願い事があるんだが?」
「良いですよ。俺たちに出来ることなら」
「ではこの村を包囲している、大国の騎士隊を追い払ってくれ」
「大ピンチじゃないですか! 一体何が?」
「かつて、共に戦った大国が。我々を見限ったのだ!」
「そうか、世界で五本の指に入る戦士を始末しようと……!」
「いや、大国のもてなしにたかって、金を借りすぎてな」
「あんたが悪いわ!」
俺たちが遠くを見ると、旗印が見える。いかにも豪華な旗と紋章。そして数えきれないほどの軍勢がそこにいた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜
あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。
そんな世界に唯一現れた白髪の少年。
その少年とは神様に転生させられた日本人だった。
その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。
⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。
⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる