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2部3章

パンケーキ

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 気を取り直して、俺はエルドラスの事をエルリックさんに話した。

「いいよ! かなりいい試練になりそうだし」

「でしょうね……」

 エルリックさんらしい。後はソフィーナにもエルドラスの事を伝えようと考えた時、こちらに走ってくるソフィーナが見えた。

「悠人ー!」

「そんなに急いで、どうした?」

「朝ごはんできたよ!」

「ああ、凛音たちが作ってくれてたな。でも、組手の間作ってたなら結構時間かかったかな?」

「そう。凛音がこだわり出してね」

「不安になってきたな……」

 凛音のトライ狂いの事を思い返した俺。リュセラが居るから命の危険は無いと思うが、割りと死にかけた印象が消えない。主に俺が。エンチャントした魔法がなければヤバかった。

「パンケーキ? って料理みたい」

「いいね。すぐ行こう!」

 俺はすかさずハチミツを取り出した。異世界の食材や調味料のマジカルハチミツは、量を気を付けなければ魔法が掛かってしまう。俺なら問題なく分量を量れるが。

「私のも分けたげよっか?」

「セレスト、また狙ってるな?」

「平気よ。普通のハチミツも持ってるの。マジカルハチミツの方が魔力得られるからよく食べるだけ」

「じゃあ貰うか。掛けたい物があったら教えてくれ」

「食べたことのないものを全部貰うかな」

「抹茶ソースとか、アーモンドバター。キャラメルソースとか、白玉。バニラアイスに、リコッタチーズ。ピスタチオ。メープルシロップにベーコンもいいな……!」

「多すぎ! どれか2つくらいで。でも、バターとか、冷蔵しないと持てないよね?」

「ああ、凛音とリュセラに氷の魔法で保冷して貰ってた。リヴァイアサンだから自分でも出きるが。今だけだがな」

「常備してるのそれら……」

「さあ、行こう。冷めるとバターの溶け具合が悪くなる」

「そうね」

 俺たちはセレスト、ソフィーナ。エリカ大尉たちを連れて凛音の元へと向かった。

 凛音とリュセラ。コピーの二人はリュセラが召喚したであろう木のテーブルに人数分のパンケーキの皿を置いていた。すでにタケシ中尉たちは席について俺たちを待っていた。

「お待ちしておりました。大尉。悠人君たちも」

「中尉たち。先に食べておけ。交代で見張りをするべきだろう?」

「いえ、エルリック殿が見張りを買って出たもので」

「確かに彼ならドラゴンでも寄り付かないでしょう」

「私たちは居るんだけれどね」

 木のテーブルからはみ出た位置に、岩竜さんとリリックさんがいた。岩竜さんの目の前には山盛りのパンケーキがある。

「凛音。お母さんの分も作ってくれたの!」

「仲間はずれは寂しいからね!」

「リリックさん、まだ居たんですか?」

「仕方ないじゃろ! エルリック先生と戦って疲弊したからな。先生も加減してくれんし。年寄りなんじゃぞ儂。先生ほどではないがのう……」

「でも、助けて貰ったので。ありがとうございました」

「よいよい。それでご相伴に預かる訳じゃからな」

 全員でパンケーキを前にした、俺は調味料やトッピングを配った。全員に行き渡ったから良かった。残り半分位になったけど。
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