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2部3章

助ける理由

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 俺たちが簡易キャンプにたどり着くと凛音たちは起きて、調理場に立っていた。コピーたちとにらみ合いながら、朝食をつくっている。

「あ。お帰り悠人、セレスト! それとなんか知らない人ー」

「はじめましてなの! ロボットのおもちゃの擬人化、エルドラスなの」

「エルドラスよろしくー。あなたは異世界のおもちゃなの?」

「そうなの!」

「おもしろーい! 何が出来るのー?」

「変身したり、戦ったり出来るの! あとは給仕に掃除、お茶会の準備に料理……」

「遊び相手と言うより執事だな!」

 俺たちが戻ってきたことにより、みんなは料理の手を止めた。軽く食材の品質保護の魔法をかけてくれたリュセラたちに感謝だ。

「凛音、リュセラ。頼みがあるんだ……」

「いいよー」

「即答か! 内容言ってないんだけど?」

「悠人。僕たちは悠人に頼ることが多い、料理とかな。だからある程度、悠人の頼みは聞いてやる事にしている。凛音は渡さんがな!」

「ありがとう。じゃあ、エルドラス、詳しく教えてくれるか?」

「はいなの! 事は一年前に遡る。おもちゃの王国は平和で皆で遊び、人間と共に楽しい生活をしていたの。けれど、突然やってきた親リヴァイアサンとリヴァイアサン四兄妹が王様を浚って国は大混乱。そこで私たち王の配下が集まって討伐しに行ったけど……」

「返り討ちにあって、命がけで逃げてきたの」

「生きるためには仕方ない。俺は逃げたことを責めないよ」

「そうなの? 私たちは壊れようが直せば戻るの。それを出来るのが修理師の王様だけなの」

「ほぼ不死身! でもそうか、王様が居なければ国は……」

「そうなの。この前の大洪水で国の人々はたくさん流されてしまったし、きっと修理が必要。だから王様を奪還したいの!」

「「「「「大洪水……」」」」」

 その場の全員が俺をみた。

「何で俺を?」

「悠人、リヴァイアサンの魔法で出した水はどこへ流れ落ちたと思う?」

「それは大穴の底へ……。それ俺のせいじゃん!」

 岩竜さんとか、エルリックさんとか戦う度に垂れ流しで水を出しまくったのだ。相手の強さに比例する量を……。

「ごめん! エルドラス。俺のせいで国のみんなは……」

「大丈夫なの! みんな魔力で動くから溺れないの。呼吸もしないし仲間はみんな集まってるし」
 
「でも、みんな流されちゃったなら俺に責任がある。みんなには悪いが、手伝ってくれるか?」

「「「「「いいよ」」」」」

 エンチャントしたばかりの魔法で、またもや被害が。だからこそ。エルドラスたちを助けると誓う。エルドラスの仲間は無事なのはひと安心だが。
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